ある二人の資産家の終活。明暗を分けることになった決定的な違いとは?! (1/2ページ)
守秘義務の問題もあるので、詳細を綴ることができないのだが、筆者が税理士事務所に勤務していた時のあるご家族ともう一方のご家族に関する相続を絡めた終活について綴ってみたい。あるご家族をA家とする。もう一方のご家族をB家とする。
■ともに資産家だったAとB
A家はかなりの資産家だ。ご主人の年収は二桁億。国内外に数件の別荘を所有している。
A家の家族構成は、ご主人とその配偶者、息子さんご夫婦、そしてお孫さんが二人だ。
B家も資産家だ。ご主人の年収は数億。別荘は所有していないが、超高級車を複数所有、更に飛行機の免許を所持し、国内で遊覧飛行を行っている。家族構成はA家と同じだった。
■本人だけでなく家族全員で真剣に向き合った相続税・贈与税対策
ある日、A家のご主人から相続に関して相談に乗って欲しいと依頼があり、日程を調整してA家のご自宅を訪問した。A家のご主人曰く、自分はまだ大丈夫だと思うが、相続税について対策を練っておきたいとのこと。筆者はその際に具体的な対策を資料と共に説明し、数年かけて対策を進めて行く旨ご主人の了承を得た。その直後少々驚いたことが。
同席していた息子さんから、家族全員に概略でもいいので相続税と贈与税についての講義の要請があったからだ。後日日程を調整し、上司と筆者(講師は上司で筆者は資料作成とサポート)でA家において相続税・贈与税の講義を開催した。評判は非常に好評で、特にA家の息子さんご夫婦から感謝されると共に、それなりの額の謝礼金まで頂いてしまった。
それから暫くして、A家のご主人はお亡くなりになった。しかし、事前に対策を済ませていたことにより全てが恙なく進み円満解決できた。この場合、ご家族全員が終活、特に相続税・贈与税について並々ならぬ関心を抱き、貪欲に知識を得ようとしていた。
かと言って、脱税等の違法行為をしてまで利益を追求せず、あくまでも法の範囲内においての節税を目指していたことは、筆者としても大変感銘を受けた覚えがある。そしてご家族全員が目的意識を共有しつつ対策を練っていたことが好結果を生んだのだ。
■遺言書さえあれば問題ないという思い込み
次はB家だ。