天才児に育って欲しい?専門家が教える「ギフテッドチャイルド」の正しい理解とは
“ギフテッドチャイルド”という言葉をご存じでしょうか? この言葉を日本語で表すと、いわゆる“天才児”のことです。
天才児の中でも、2パターンあり、一生懸命勉強して優秀に育ち「あの子は天才だ」と言われることもありますが、その一方で特に努力もしないで生まれつき天才の子どももいます。
“生まれつきの天才”と言うと聞こえは良いですが、天才であっても何でもできるわけではなく、社会での適応力が低いこともあるのです。
そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“ギフテッドチャイルドの正しい理解”についてお話ししたいと思います。
■ギフテッドチャイルドとは
ギフテッドチャイルドは和訳で“英才児、優秀児、天才児”などと訳されますが、“勉強が出来る賢い子”ということではありません。
努力に努力を重ねて成績優秀で天才になった人ではなく、“生まれつきの天才”を指します。だから早期教育を一生懸命したからといってギフテッドチャイルドに育つわけではありません。
そして、勘違いをしてはいけないのは、ギフテッドチャイルドだからといって、“何でもできる子ども”という訳ではありません。
桁数の多い暗算が出来たり、3.14159……と円周率を延々と言えたり、ずば抜けた才能を持ちながらも、身の回りの着替え、歯磨、排泄などの身辺自立が出来ていない人もいます。
例えば映画『レインマン』のモデルになったと言われたキム・ピーク氏もそうです。彼は生まれつき脳に障害がありました。そのためすべての生活には大人になっても親の介護がなければ生きていけませんでした。ところがその一方で類まれな記憶能力を持ち、9,000冊以上にも上る本の内容を一言一句、暗記していました。
いわゆる“サバン症候群”と呼ばれる人たちで、知的障害や発達障害がある人の中で特定の分野に限って優れた能力を発揮する人のことを指します。
■記憶力と「生活力」はリンクしない
筆者の息子は知的障害を伴う自閉症です。異常な記憶力で一度見たものは決して忘れません。数年前の給食メニューや公衆トイレの便器の型番など、数年経過しても紙に書きだすことが出来ます。まるで写真のように脳に記憶され、しかも忘れることが出来ないようです。
けれども、もうすぐ高校生になろうとしているのに一人で買い物をしたり、介護人なしで外出することが出来ません。100円を持って好きなお菓子を買うことも出来ません。
最近、やっと自分でお風呂に入ったり、歯を磨いたりできるようになりましたが、生活年齢は“4歳”と検査結果では出ています。
その他にも、“67867+87674=”という計算を瞬時に暗算できても、“大根と牛乳と納豆を買ってくるのに、1,000円持っていけば足りるだろう”といった概算が出来ない自閉症の子どももいます。
このように社会での“適応力”とその人自身に秘めた“能力”は別物なのです。
■オールマイティにはいかない
このような子どもの場合、見た目が普通で、しかも言葉がある程度話せると、学校の先生から「なんで能力があるのに、こんなことも出来ないんだ!」と身の回りの当たり前のことが出来ないことを叱責されたり、「国語は出来るのに何で算数が出来ないんだ!」と教科によるバラつきを厳しく指摘されたりします。
こうなると、せっかく天才的な脳を持って生まれてきても「自分はダメな人間だ」と自己肯定感がとても低くなってしまいます。
ギフテッド (gifted)は、贈り物を意味する英語の「ギフト (gift)」 が語源で、神、または、天から与えられた“資質”と言われますが、その特質を理解しないで“なんでもオールマイティに出来るように、バランスよく出来るように”と否定的な言葉をかけ続けて育てると、子どもは不幸になってしまいます。
いかがでしたか。
親が天才に憧れて、幼い頃から文字の読み書きを教えることによって、お友達より勉強が出来る子になることもあります。でも、それによりギフテッドチャイルドにはなりませんし、ギフテッドチャイルドだからこその苦悩もあることを理解しましょう。
まずは大人がギフテッドチャイルドに対する正しい知識を持つことが大切ですね。
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※ mnstudio / PIXTA