子どもが「妬みやすい人」になっちゃう親のNGフレーズ4つ
子どもの月齢や学年が同じママ友がいると、共通の話題も多く仲良くなります。しかし、一方、自分の子どもが何かしら出遅れてしまったりすると、羨ましい気持ちが起こることもあります。
中にはそれを通り越して“妬む”気持ちまで生まれてきたり……。そうして、自分の醜い心に気が付いて自己嫌悪に陥ってしまうことも。
そこで、今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、わが子が人を妬まない器の広い大人になるために知っておきたいことをご紹介します。
■「シャーデンフロイデ」とは?
シャーデンフロイデという言葉をご存じですか?
これはドイツ語で“他人の不幸を見聞きした時に生じる喜び、嬉しさといった感情”という意味です。日本語にはこれにぴったり当てはまる単語はありませんが“他人の不幸は蜜の味”がこれに当たるのではないでしょうか。
自分が幸せであれば他人の幸福も一緒に喜ぶことができますが、自分が不幸だとそう感じることが難しく、他人の不幸も喜びになってしまいます。
例えばこんな話をよく聞きますね。
・自分にいつまでも彼氏できなくて、友達に彼氏ができると羨ましくなる。友達の幸せを自分のことのように喜べない
・自分がいつまでも結婚できない。友達の披露宴に呼ばれて「おめでとう」と口では言いながらも、心から祝福できない自分がいる
・不妊治療中、一緒に頑張っていた同じ不妊外来に通う仲間が妊娠すると、妬んでしまう
・夫の年収がママ友と比べて低い。そのママ友の家にお呼ばれすると生活レベルの差を感じて妬んでしまう
■「他人の不幸を喜ぶ感情」は脳の機能によって起こる!?
妬みの感情が湧き、これに気が付いたとき、一番不快な気持ちになるのは自分だったりします。「なんて私はちっぽけな人間なんだろう。心が狭いんだろう」と思い、益々自己嫌悪に陥ることもあります。
けれども、実は人間の脳には元々相手が不幸になると自分が嬉しくなるという機能があることが判っています。
独立行政法人 放射線医学総合研究所の調査によると、人が妬みを持つ感情と他人の不幸を喜ぶ感情は脳内のメカニズムに関連があるとし、脳の“線条体”という部位が妬みや他人の不幸を喜ぶといった機能があることを脳科学的に解明しています。
■音羽お受験殺人事件
人間が持つ自然の感情であれ、妬みや他人の不幸を喜ぶことは決して“心が健康”とは言えませんね。
こんな事件もありました。
1999年11月22日、東京都文京区音羽地区の幼稚園で、同じ園児の母親がママ友の子どもの下の子をトイレで殺害した“音羽お受験殺人事件”と呼ばれる事件。
当時、お受験戦争に巻き込まれてわが子が不合格になったのが動機とされていましたが、そうではなく、夫の収入、職業や地位、子どもの学校でしか評価されない自分に孤独感を感じていたことが原因でした。
加害者は人付き合いが苦手で地味なタイプで、自分と比較して華やかな母親に妬んだ心の闇が起こした事件と言われています。
■親として気をつけたいNGフレーズ4つ
個性を重んじるよりも“右にならえ社会“の日本の子育ては妬みなどの感情を増幅させやすいように思います。実際、日本は“シャーデンフロイデ”を持っている人が多い文化だと言われています。
例えば、
「どうして○○ちゃんみたいに出来ないの?」
「みんなやっていることなのよ」
「おねえちゃんに比べてあなたは!」
「どうしてこんな点なの?努力不足ね!」
こんな言葉をかけられて続けて育つと、元々人間は他人と自分を比較をする脳の部位を持っていますから“シャーデンフロイデ”の気持ちをより強く持つ性格になってしまいます。
周りとの比較が頭の中にあったとしても、周りと比較する言葉は入れないで子どもには「これを出来るように頑張ろう」とだけ言いましょう。
いかがでしたか。
人をうらやんだり妬んだりする気持ちは誰しも持つ自然の感情ですが、出来るのならば、それが少ない人に育つと自分も幸せになりますよね。
幸せとは絶対的なものではなく相対的なもの、つまり他人との比較で感じるものであることは否めません。
でも、自分と他人とは遺伝的素質も生まれた環境も違うのです。子どもを産んだときの感動を思い出し、「毎日元気で生きているだけで存在価値がある、あなたはあなたのままでいい」という気持ちをママが持っていることが大切なのかもしれません。
【参考】
※ 妬みや他人の不幸を喜ぶ感情に関する脳内のメカニズムが明らかに – 国立研究開発法人 放射線医学総合研究所
【画像】
※ Luba V Nel / PIXTA