スポーツ紙が報じない「原辰徳と巨人軍」35年目の決別 (3/3ページ)
時すでに8月半ば。ペナントは、もう終盤に差し掛かっていた。「ただ、球団幹部がナベツネさんの指示を仰ごうとしても、空振りの日々が続いたようです。今年の夏はナベツネさんは政界工作に忙しく、野球にかまっていられなかったようなんです」(前同)
稀代の“政界のフィクサー”としても知られる渡邉最高顧問は、安倍談話の内容へ影響力を行使しようとしたり、消費税10%導入後の軽減税率に関する提言に忙殺されていたという。「待てど暮らせどナベツネさんの“天の声”が下りてこないので、球団は恐慌をきたしたようです。結果として、原さんはそっちのけで、決定打を欠く中“ああでもない、こうでもない”と後任探しをやっていたわけです」(同)
結局、由伸新監督で落ち着いたのは、9月も半ばになってからだという。「球団がナベツネさんに“川相か、江川か”を提案したところ、ナベツネさんは“川相は地味すぎる”と一刀両断。すわ、江川新監督誕生かとなったんですが、球団内では例の野球賭博問題がくすぶり始めていたんです。これで急転直下、江川の目もなくなり、急遽(きゅうきょ)、泥縄よろしく由伸を説得することになったわけです」(同)
江川監督だと、“空白の1日”などの話を蒸し返され、賭博問題で揺れる巨人の負のイメージを払拭(ふっしょく)できないというのが、球団首脳の判断だったようだ。「原さんはこの間、終始、蚊帳の外に置かれています。8日にBS日テレで由伸との新旧対談番組が放送されますが、原さんは実は由伸政権発足にはまったく関与していません。一部マスコミは由伸政権は“原院政”などと報じていますが、これは根も葉もないことです」(同)
原氏と運命を共にするべきコーチ陣の多くが留任しているのも、「ドタバタで組閣の時間がなかったから」(同)というのが正解。原氏の就任する「球団特別顧問」という肩書も前例がなく、「単なる名誉職」(同)という声が根強い。80年の入団以来、35年の長きにわたり、人生を巨人球団に捧げてきた男の胸には、今、何が去来しているだろうか――。