「市民の足」としてのエアライン 問題山積のインドネシア航空事情 (2/2ページ)

FUTURUS

外国人観光客があまり来ることはない東部島嶼地帯をつなぐエアラインだから、そもそも大きな利益など見込めない。だから一度経営が悪化すれば、それを挽回させるのは難しい。

もっともメルパティ航空は、そのダメージを公的資金投入というカンフル注射で誤魔化していた。だがそれも限界に達したのだ。

今ではメルパティ航空の代替をライオン航空、トランス・ヌサ航空などが担っている。特にライオン航空は、インドネシア資本最大の格安航空会社だ。圧倒的な就航エリアを誇ることでも知られている。

ライオン航空は地方を結ぶエアラインとして、大いに期待されている。いや、期待されていた。

筆者がこの記事を書いている2015年12月、インドネシア市民のライオン航空に対する目は非常に厳しい。


■ 副機長の喘ぎ声!?

インドネシアは、航空事故が多いことで有名だ。昨年12月のエアアジア墜落事故は、まだ記憶に新しいだろう。

ライオン航空は、乗客死亡に至らずとも重大な不祥事をよく起こす。今年の11月14日、スラバヤ発デンパサール行きのライオン航空の便で副機長が謎のうめき声を出し、さらに「遅延のお詫び」と称して独身の客室乗務員を乗客にプレゼントするという意味不明のアナウンスを行った。

筆者もこの文章を書きつつ理解に苦しんでいるのだが、ともかくアナウンスを通して副機長の激しい吐息や喘ぎが流れたそうだ。

また、同月21日にはジャカルタのスカルノ・ハッタ空港で、遅延便を待っていた乗客が同区間後発便の離陸を阻止するという事態が発生した。長時間の遅延があった場合、代替機を用意するのが通常の対応だが、この時はそれがなく乗客は置き去りにされていたようだ。

しかも、この遅延便は、何と飛行許可を申請していなかったということまで明らかにされた。インドネシアの航空業界には、残念ながらこうした杜撰さがある。

飛行機を必要不可欠とする一方、運行面での管理に大きな問題があるインドネシア。縦割りの官僚主義も相成り、対策はいつも後手に回っている。

だが不祥事の多い航空会社だろうと、地方島嶼部の市民にとっては重要な移動手段ということに変わりはない。不祥事ばかりの会社の飛行機なんか乗らない、というわけにはいかないのだ。

この国の航空業界関係者は、意識を変えなければいけない時を迎えている。

【参考・画像】

※ 怒った乗客が離陸阻止 ライオンエア トラブル相次ぐ 運輸省が処分検討 – じゃかるた新聞

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