日本への領海空侵犯は年間800回以上も? 非公開”スクランブル発進”の衝撃 (2/3ページ)
2013年の領空侵犯810回…中国とロシアの脅威
「ここ5年間でみるとわが国領空侵犯への対処、緊急発進実施(スクランブル)の回数は、2010年度は386回でした。以降、2011年度は425回、2012年度は567回、2013年度は810回、そして2014年度は第3四半期までで744回です。これだけの領空侵犯をされている現実を、多くの方がご存じない」
わが国への領空侵犯を行っているのは中国とロシアだ。その割合は中国50%、ロシア49%だという。残りの1%はどこなのか。前出の1海佐が続けて語る。
「北朝鮮と思われます。ただし北朝鮮機は偵察に来たかどうかはやや怪しいところもある。何らかの事情で集団からはぐれてしまい、結果的に日本の領空を侵犯した可能性が高い。脅威といえばそうかもしれない。でもわが国の安全を揺るがすほどのものではない」
2015年に入ってからは1月こそ諸外国による領空侵犯飛行や領海に侵入した艦艇はなかったが、2月に入ってからはロシアの駆逐艦など3隻が対馬海峡を南下、中国のフリゲート艦と駆逐艦の2隻が宮古島沖約110キロの海域を航行したことが確認されている。
「艦艇による航行は統合幕僚監部が発表しているように、ほぼ毎月、中国とロシアの艦船がやって来ます。偵察を兼ねて訓練に出ているのでしょう。もちろんわが国も戦闘機や対潜哨戒機を急派しますが、その際は砲門を自衛隊機に向けていることも珍しくはありません」(対潜哨戒機P3-Cの元搭乗員で厚木航空基地勤務の海曹長)
さて諸外国軍によるこうしたわが国領海、領空内の侵犯事案、はたしてそのすべてが統合幕僚監部から国民サイドに伝えられているのだろうか。陸上自衛隊幹部学校に勤務する高級幹部のひとりはこう語る。
「すべては伝えられていない。国民の皆様に伝えられないものもあるから。安全保障上、秘密にしておいたほうがいい内容のものも含まれているので当然の措置だ。かつて中国潜水艦の火災をアメリカの偵察衛星が察知したという話を読売新聞記者に漏らして情報本部所属の1等空佐を懲戒免職にした事案があった。こうした表に出ない話はいくらでもある」
とりわけ潜航中の中国、ロシアの潜水艦の行動については国民サイドには伝わりにくい。実際、統合幕僚監部が公表する中ロなど諸外国の艦艇動向のほとんどが水上艦か、浮上航行中の潜水艦のそれだ。