トライアウトの裏側…プロ野球「戦力外通告を受けた男たち」密着ドキュメント (2/4ページ)

日刊大衆

地元の静岡で開催というのも、何かの縁なのかなと思いましたし」

 地元・清水商から日大を経て、00年のドラフト2位でロッテを逆指名。2年で20勝(25敗)を挙げた加藤は、オリックス・大久保勝信と新人王を争うなど、かつては“次代のエース”とも称される逸材だった。だが、その後は伸び悩み、金銭トレードで移籍したオリックス、次いで横浜、そして阪神と所属先を転々。今回を含めて3度も戦力外通告を味わった。「オリックスで初めて戦力外になったときは心の準備も何もなかったから、10キロ近く激ヤセしてしまうぐらい、精神的にもかなり参ってしまってね。トライアウトを受けたときには、ユニフォームもダボダボで“お前、そんなんで投げられるんか”と心配されたんです(笑)」 それでも、拾われた横浜で執拗にインコースを攻める“左殺し”として開眼。阪神時代の12年、13年シーズンを合わせると、合計100試合以上に登板して、83イニングで自責点はわずか14。防御率1.51という抜群の安定感も披露した。

 彼にとっては、トライアウトの持つ可能性を自らの経験として知っていたからこそ、あえて臨んだこの日の登板。与えられた3打席を、見逃し三振を含む三者凡退と、自身の中でも納得のいく結果も出した。年齢的なものを考えれば、彼の“再就職”は極めて難しいものがあるだろう。だが、それでもなお、5000人を超える観客からは、“地元のスター”である加藤に対して、この日一番となる大きな声援が送られたのだった。

 参加した33人の投手陣の中には、“ポスト松坂世代”の甲子園優勝投手として、日本ハム時代の02年に9勝(11敗)をマークした正田樹(四国IL・愛媛)や、阪神時代の07年に8勝を挙げた上園啓史(楽天)、日本ハム2年目の10年に、中継ぎながら、39試合で10勝1敗6H、防御率2.63と活躍した榊原諒(オリックス)といった、新人王に輝いたことのある選手たちの名前もあった。

 前出の加藤と前後して相次いで登場した彼らも、全盛期の投球とはいかないまでも、それぞれに持ち味を発揮。ことにNPB以外に台湾球界、米マイナー、BCリーグと渡り歩いてきた苦労人の正田は、投ゴロ、空振り三振、見逃し三振と貫禄の投球を披露し、観客を大いに沸かせてみせた。

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