"Tor無敵神話"が日本でも崩壊? アダルト宣伝サイトで大量逮捕事件を考える【前編】 (1/4ページ)
これまで 「○○を△△すれば安全」 と信じられていたツールやコンテンツの使用者が、次々と逮捕されている。 ここではその代表的な事案を紹介しつつ、前編となる今回はニュースに対する解説(及びツッコミ) を中心に、そして後日公開する後編では、こういう流れになった背景について考察してみたい。
●Tor無敵神話が日本でも崩壊......か?Torとは、可能な限り簡単に説明すると、世界で最も匿名性が高いと言われているネット接続方法のひとつだ。 システムとしては、世界中に散らばっている何千ものサーバの中から、ランダムで接続先を決定し、リレーのように複数のサーバを経由させて行くというもの。
利用者のパソコンをAとして、情報を暗号化して最初のサーバ(中継ノード)Bを経由、そこからC、D、Eとその都度暗号化して経由させ、最終的にFから目的の情報にアクセスするといった形になる。 このため、出口側からはFの情報しか得られず、そこから遡ってAという入り口に辿り着く事は非常に難しい。
暗号化&経由→暗号化&経由→......と繰り返していく事から、玉ねぎの皮に例えられ、Tor(The Onion Router)という名称が付けられたそうだ。 早い話が扱いの簡単な多段串である。
これを使った最も有名な事件は、誤認逮捕や冤罪による有罪判決と、警察の不手際が相次いだ 『遠隔操作ウィルス事件』 であろう。 日本では、この事件によって一気に知名度が上がったように思う。
さて、今年9月にこのTorでなければ接続できない専用ページを介して児童ポルノを売買していたとして、複数の男が逮捕され、その後書類送検された。 このニュースが伝わった当初は 「遂に日本でTorが破られたか!?」 と一瞬だけ話題になったものの、結局逮捕のキッカケは 「無防備にビットコインで金銭のやり取りをしていて足が付いた」 のであり、Tor自体が破られた訳ではなかった。
その前にも、Torを使って10代の男があちこちでサイバー攻撃を繰り返し逮捕されている。 こちらの逮捕理由などさらに笑い話のようなもので、犯人が自らネット上で "事細かな犯罪自慢" をしていた事から、個人が特定されて逮捕に至った。