北朝鮮住民、特別重大報道で「正恩氏が死んだ」と勘違い (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

核兵器について、知識がない中学生や一部女性からは「核兵器さえあれば何も恐れるものはないとか言ってたのに、なんで水爆まで作るの?」とトンチンカンな反応が見られた。

国内外の情勢にある程度詳しい大学生は「どうせ使えないくせして、なんであんなものを作るんだ」と当局の核、経済の並進路線を批判する。

「商行為への締め付けを緩和したおかげで、市場は安定している。忠誠の資金(金正恩氏への上納金)が増えたおかげで、ドンジュが粛清されることはほとんどなくなっていたが、莫大な額のドルをつぎ込んで作った爆弾が吹き飛んだ。失ったドルを搾り取るため、金正恩氏はドンジュへの締め付けを強めるだろう」

「過去3回の核実験の時は、儲けているドンジュが目をつけられ『非社会主義行為を行った』容疑で逮捕され、財産が没収された。今回も同じようなことをするかもしれない」

「天文学的な額のドルの穴埋めをするために、幹部たちはありとあらゆる名目で、不正を働くだろう。ドンジュも零細商人もどんどん締め付けられるだろう」

今回の核実験成功を最も喜びそうなのは、朝鮮人民軍かと思いきや、最近始まった冬季訓練に励む現場の兵士や指揮官の士気はだだ下がりになっている。

平安北道の北朝鮮軍関係者によると、兵士たちは「水爆一つで全部吹っ飛ばせるのに、なんでこんな訓練をやらなければならないんだ」と訓練に身が入らない様子だった。

指揮官たちは「本当に水爆なんかあるのか」「あんなことをされては、現場の空気が悪くなって、訓練がやりにくくてしょうがない」と当局のやり方を批判しているという。

北朝鮮の人と言えば、当局の過激なレトリックを用い、目をつり上げて韓国、米国、日本を激しく非難するというイメージを持つ読者が多いだろうが、実際は金正恩政策の政策に関心を示さず「自由に金稼ぎさえさせてくれればいい」とか「どうせお上なんてろくなことをしないのだから、余計なことをしてくれるな」との考えを持った人が多い。

特に「市場(ジャンマダン)世代」と呼ばれる若者は、国や金正恩氏に対する忠誠心も関心も極めて低い。興味があるのは、豊かな消費生活や韓流ドラマだ。中には「韓流スターに会いたいから脱北したい」と思う若者すら存在するという。

巨額の予算を投じて核実験をやったのに、今後予想される国際社会からの厳しい対応で経済が悪化でもすれば、人心は更なる離反は避けられない。危機感を煽って国内の一体感を高めるやり方は、2016年を生きる北朝鮮の人々にはもはや通じないのだ。

「北朝鮮住民、特別重大報道で「正恩氏が死んだ」と勘違い」のページです。デイリーニュースオンラインは、核兵器デイリーNK地下経済学生ニュース海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る