【冴え女シリーズ(9)】[姉さんの家政婦じゃ終わらない]第9話(後半)「ちんぷんかんぷんです」 (2/3ページ)
えっへん」
宏紀「あのさ」
美咲「うん?」
宏紀「ひとつ聞いていい?」
美咲「なあに?」
宏紀「なんでそんなに頑張れるの?」
美咲「頑張る?」
宏紀「だって教員採用試験の勉強で100回以上も小論文書いて、合格したらこんなノートまで作って・・・姉貴はなんでこんなに頑張れるの?」
美咲「う~ん・・・私は頑張ってないよ?」
宏紀「だって」
美咲「だって好きでやってることだもん」
宏紀「っ!」
美咲「小論文の対策だって教師になりたいって思ってやってたし、これが教師になってから必要になるって思ってたから」
宏紀「姉貴」
美咲「授業展開のノートもね、数学が嫌いな子が私の授業聞いて少しでもわかってくれたり、興味を持てくれたりしたらいいなぁって思ってたら全然大変なんかじゃないよ」
宏紀「そっか」
美咲「私ね、実は大学3年生までは教師になるつもりなかったんだ」
宏紀「え?」
美咲「教育大学に行っておいて変だよね。でも、その頃は数学を勉強して研究者になりたかったんだぁ」
宏紀「姉貴が?」
美咲「うん。子どもの頃から算数とか数学好きだったし。いろんなこと覚えるのも楽しかったし」
宏紀「へぇ~」
美咲「あとは研究者が無理ならお花屋さんになりたかったなぁ」
宏紀「あ、そっちは姉貴っぽいわ」
美咲「そうでしょ~。学生時代みんなによく言われた~」
宏紀「だろうね」
美咲「今でもお花屋さんあきらめてないけどね」
宏紀「ははっ。でもなんでそっから教師になろうと思ったの?」
美咲「3年生の時にね大学の付属中学校に教育実習に行ったんだけどね」
宏紀「うん」
美咲「私が担当したクラスに一人、不登校の子がいたの。