臨床内科専門医に聞く! 今季のインフルエンザの特徴ってどんなもの? 予防法は? (2/3ページ)
ある総合医療情報サイトの調べでは「成人1回目のインフルエンザ予防接種費用の全国の平均金額は3,204円で、前シーズンと比べると平均265円アップした」とあります。費用の変動について正木医師は、
「ワクチン株の種類が増えたことが影響しています。インフルエンザワクチンの接種は健康保険が適用されない自費診療です。価格は医療機関ごとに独自に設定されるので差があります」と話します。
予防接種に関する注意として正木医師は、
「ワクチン株の種類が増えて感染リスクを抑える可能性は高くなったものの、ワクチンにはウイルスを殺す働きはないので、まったく感染しないということではありません」と言います。
では、感染する可能性があるということは、ワクチンを接種しなくてもいいように思いますが……。
「ワクチンの効果には個人差がありますが、接種する意味は、インフルエンザにかかったときに『発熱などの症状を抑える』こと、また、『肺炎や脳症などの合併症を予防する』ことにあります」(正木医師)
重症化させない、ということですね。ワクチンはなるべく早い時期に済ませた方がいいと聞きます。その理由について正木医師はこう答えます。
「予防効果が現れるのは、接種してから約2週間かかるとされているためです。その後、約5か月間は効果が持続します。ですから、インフルエンザの本格的な流行が始まる前に接種することが望まれています」
■突然の高熱、けんたい感、関節痛など、全身症状が現れやすい
ウイルスの型によって、症状に違いは現れるのでしょうか。正木医師は、
「A型のほうが発熱などの症状が強く現れやすく、B型は下痢などの胃腸系の症状が多い傾向があります。また、すべての型にあてはまる症状もあります」と次の症状を挙げます。
・急な38度以上の発熱
・頭痛や関節痛がする
・のどが痛い
・せきや鼻水が出る
風邪の諸症状と同じようですが、インフルエンザとの違いについて、正木医師はこう説明します。
「風邪の場合、のどの痛みやせき、鼻水などの症状がだらだらと続き、全身に症状はあまり見られません。