人間は1秒4文字までしか認識できない!プロが教える字幕の世界 (1/2ページ)
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映画
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母国語でない作品を見るときに切っても切れないのが、字幕や吹き替えです。でも、あの字幕をどうつくるのかご存じでしょうか?
実は、人間が1秒間に読める文字数には限界があるため、字幕翻訳を作る際には、実際のセリフと秒数を考慮して訳語を考えなくてはいけないそうなのです。見ているだけでは、想像もつかないことですね。
そんな字幕の世界について、この道10年の字幕翻訳者、高橋純子さんにお話をお伺いしました。
■人間が認識できるのは1秒4文字!
まず、字幕の基本的なルールから。
字幕は、1秒4文字、1行16文字で2行まで。つまり1枚の字幕に収める字数は最大32文字です。
でも実際には、画面に32文字が並ぶことはほぼありません。ただし企業ビデオなどの場合は1秒5文字、1行20文字でOKだというケースも。
他にも「字幕間は2~3フレーム空ける」「もっとも短い字幕は15~20フレームまで」など、細かい決まりがあるのだとか。
このようなルールができた理由については、「人間が一瞬で認識できる文字列が1秒=4文字だからだと翻訳学校では説明された」と高橋さんは教えてくださいました。
そのため、たとえば「サンフランシスコ」や「ニューヨーク」など、瞬時で認識できるカタカナが入っている場合は、字数を多少オーバーしてもOKと思われているそうです。
■長い台詞をどうやって短くするのか
しかし気になるのが、字幕をどうやって決められた字数におさめているのかということです。
そもそも、俳優が実際に口にするセリフの方が断然長い(言葉数が多い)ので、そのまま全部訳したら絶対に字数がオーバーしてしまいます。
そのため字幕にする際は、原文のニュアンスをいい換えてくれるような適切な語句を探すのだそうです。
字幕では、日本語の流れのよさが求められます。そして、字幕だけで読んでも、話の流れがわかるような訳が理想的なのだそうです。