「激安」に隠れた無理なコストダウンとしわ寄せ、スキーバス事故から得られる教訓とは (2/3ページ)
イーエスピーもキースツアーも、後で運賃を引き上げればつじつまがあうと考えていたことを言い訳にしているが、運行ごとの安全性を確保するために、法定基準が設けられていることを理解していないか無視したことになる。
■ 従業員管理の杜撰さ
企業は、サービスの質や企画力で勝負するよりも、安易な価格競争に向かいやすい。その結果過度なコストダウンを行う事になるが、そのしわ寄せは多くの場合従業員に対して行われ易い。
イーエスピーは、2月にも国交省の一般監査で、運転手の定期健康診断や適性診断が行われていなかったことを指摘され、今回の事故が起きる前の1月13日には、道路運送法違反で一部車両の使用停止が命じられていたばかりだ。
また、運転手の勤務記録から、国の基準を超えた超過勤務による過労運転も確認されている。つまり、人員を増やさずに、一人当たりの負担を増やすことでコストダウンしていたのだろう。

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また、今回の事故で死亡した運転手も含め、乗務員台帳が未作成あるいは未記入だった。乗務員台帳とは、運転手の免許の種類や健康状態を記録するものだ。
道路運送法では、記録を1年間保存することが義務づけられており、無理な長時間運転などを防ぐ意味があるものだ。
更に、死亡した運転手2人の出発前点呼が行われていなかった。点呼ではアルコールの呼気検査も行われるのだが、これを怠った理由が驚く。担当の高橋社長が遅刻したからだという。
遅刻自体も問題だが、そのような場合は別の責任者が代行することもできたはずだ。
しかも、事故時の土屋広運転手が別のバス会社から転職してきた際、事業者が義務づけられている健康診断も行われていなかったという。
これらのことから、同社の従業員管理の杜撰さや、従業員の負荷を軽視する姿勢が垣間見える。