「激安」に隠れた無理なコストダウンとしわ寄せ、スキーバス事故から得られる教訓とは (3/3ページ)

FUTURUS


■ 業務管理の軽視

今回“謎”とされているルート変更も、業務管理上の怠慢による可能性がある。

本来作成されているはずの運送引受書が、日常的に作成されていなかった可能性があるのだ。

運送引受書には、旅行会社との契約時に、料金や工程などが記される。他にも事業用車両に義務づけられている年4回の定期点検整備の書類も揃わなかった。点検が適切に行われていたかどうか怪しいのだ。

また、ツアーが(事故のため)終了していなかったにもかかわらず、終業点呼簿に運行終了の印鑑も押されていた。

以上のことから、安全確保のための手続きが形骸化していたことが見えてくる。

■ 事故の教訓は何か

以上は、本稿執筆時点で見えてきた問題点の一部だが、今後まだまだ出てきそうだ。

今回の事故は、業者の参入に対する規制緩和が原因だと見る向きがある。

確かに規制緩和による競争激化が、更なる低価格化を呼び、安全性を犠牲にしている面があるかもしれない。

そうなると、事故の遠因には日本の経済状況や経済政策にもあると言える。

しかし、既に述べたように、参入規制が緩和されたとしても、国は安全性が犠牲にならないように法定基準を設けるなど、幾つもの義務を業者に課している。

そうなると、今回の事故から得られる教訓としては、「法令違反に対してより強制力がある処分を行うこと」かもしれない。

例えば、文書警告に留まっている行政処分を、営業停止処分などにするなどだ。

また、国土交通省は「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」という悪質業者の情報を公開しているが、旅行会社が顧客に対してバス運行会社を明示していないため、顧客はこのサイトを活用できない。

これに対しては、旅行会社が、使用しているバス運行会社が行政処分を受けていないかどうかを、顧客に明示する責務を負う仕組みを用意することも、検討すべきかもしれない。

負担すべきコストをないがしろにしてしまうと、安全性を身に危険を及ぼすことを思い知らされる事故となった。

【参考・画像】

※ 国土交通省ネガティブ情報等検索サイト – 国土交通省

※ leonardo2011 / Gajus – Shutterstock

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