『平和元年』 元ちとせ #2 運命の扉 (1/2ページ)
小学生のときから奄美に伝わる島唄を習い始め、高校2年のとき、山田洋次監督作品『男はつらいよ 寅次郎紅の花』には彼女が歌う『朝花節』が使われた。高校3年で「奄美民謡大賞」を史上最年少で受賞。レコード会社からスカウトが殺到した。
「でもすごい田舎に、東京から音楽会社の人がやってきて歌手にならないかって、一番危険なパターンじゃないですか(笑)。だから高校卒業後は、地道に美容師になろうと大阪に行ったんです。でもパーマ液による薬剤アレルギーがひどくて、諦めるしかなかった」
奄美に戻るため、荷物を整理していたら、1枚の名刺が出てきた。その名刺が、彼女の運命の扉を開いた。
「その人だけは、私をスカウトしに奄美まで直接足を運んでくれたんです。当時は東京から8時間くらいかかったんじゃないかな。でも、電話したら実はそんな会社は存在せず、そんな人いなかったってことがありえるかも。そう思いながら試しにかけてみたら、電話に出たんです。“これこれしかじか、奄美に戻ろうと思いますが私にまだ音楽をやるチャンスはありますか?”とたずねたら、“今すぐ来い”って」
1979年鹿児島県奄美大島生まれ。2002年『ワダツミの木』でデビュー。 リリース後『100年にひとりの声』『その声は涙でできている』と讃され彼女の歌はまたたく間に大ヒット、社会現象となる。チーフタンズ、スライ&ロビー、ディープ・フォレスト、坂本龍一、松任谷由実など大物アーティストとのコラボも大きな話題となる。そして昨年発表したアルバム『平和元年』は企画コンセプトに賛同した吉永小百合が題字をプレゼントしてくれた。現在は生活の拠点を奄美大島におきながら、全国各地でのワンマンライブやイベントコンサートなど精力的に活動している。2月19日浜離宮朝日ホールにてライブを開催予定。