天才テリー伊藤対談「加山雄三」(2)黒澤明監督の現場はどうでしたか? (2/2ページ)

アサ芸プラス

テリー 普通は、私服ですよね?

加山 そう。でも、最初からチョンマゲも結って、刀も本身をつけて、草履や足袋を履いて歩かされる。しかも、撮影があろうがなかろうが、朝から晩まで。こんな経験初めてでした。

テリー なるほど、侍の所作を「演技」ではなく「日常」として認識させるということなんですね。

加山 そうです。で、完成した「椿三十郎」を観たら、「やっぱり、こんなにおもしろい映画はないな」って感動したんですよ。

テリー いや、本当におもしろかったですよね。

加山 最高に好きな映画ですね。

テリー 続いて「赤ひげ」にも出演されましたよね。

加山 ええ、でもそのあと仕事がものすごく忙しくなって。年に2本くらい「若大将」を撮ると、そのたびにヒット曲が出るじゃないですか。そうすると、テレビ出演が大変なことになってしまったんですよ。

テリー あ~、黒澤組に拘束されると、他の仕事をさせてもらえないんですよね。

加山 そうです、そのしわ寄せが一気に来ちゃったんですね。そんなある時に、道を歩いていたら黒澤さんとバッタリ出くわして「加山、テレビに殺されるなよ」って、小さな声で言ってくれたんですよ。あと、「お前、大きくなったな」とか言われたりね。

テリー それ、どういう意味ですか?

加山 「(自分で)いろんな意味を考えろ」なんて返されてね。とにかく、存在が別格の人でしたね。

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