抗生物質も効かない「スーパー淋病」って何? (2/2ページ)
これは抗生物質に強い、治療が非常に難しい厄介な淋菌による淋病です。現在、イギリスを中心に医療関係者の間で注目を集めています。日本ではペニシリン系の抗生物質は9割以上が効かないとされ、ニューキノロン系という抗生物質も70~80%くらいは効かないとされています。普通の淋病に対して、どれだけスーパーなのかがうかがえます。
淋病治療には、淋菌にのみ適応のある「スペクチノマイシン」という注射製剤や「セフトリアキソン」という点滴の抗生物質が、スタンダードな薬とされています。しかし、淋病の患者さんが増え、薬を使用する機会が多くなるにつれ、これらの薬に強い淋菌だけが生き残るという現象が起きてしまうのです。日本でも2009年にセフトリアキソンがほぼ効かないという淋菌が発見されています。
抗生物質に強い菌が生み出されないために アメリカでは、治療薬としてセフトリアキソンを使用しても効果が認められない淋菌の数が増えてきたため、やむなくセフトリアキソンに加えてアジスロマイシン(点滴、または飲み薬)、またはドキシサイクリン(飲み薬)という別の系統の抗生物質を同時に用いて治療することを推奨するようになりました。
しかし、点滴だけを受け、飲み薬は飲まない、という患者が一部に居ることを専門家は指摘しています。これはセフトリアキソンが効かない淋菌を増やしてしまう可能性が高いということです。
複数の抗生物質を同時に用いることで、抗生物質に強い菌を出にくくする方法は、結核などでも行われています。しかし、患者さんの協力が得られなければできない方法です。
結核菌でも、同じような理由で多剤耐性結核菌が問題になっています。薬に勝つ力を持つ結核菌が生まれているということです。
やがて菌が強くなり、最終的に使える薬がなくなってしまう…ということにならないよう、医師の指示に従って、正しく薬を使うことが大切です。 【医師からのアドバイス】 もしも淋病にかかってしまった場合は、薬を指定通りに飲むことが大切です。しかしその前に、自らの体を守るため、安全な性行為を心掛け、淋菌にかからないようにしてくださいね、そして症状が疑われたら放置しないで、早めに検査や診察を受けるようにしましょう。
(監修:Doctors Me 医師)