「冷やしグルメ祭2016」で冬でも美味しい”かき氷とそうめん”を堪能してきた (2/3ページ)

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■人を思いやる温かグルメ「うーめん」は、心も身体もぽかぽかに

 そうめんは『三輪そうめん』と『白石温麺(うーめん)』の2種類が試食できました。「日本三大そうめんといえば、揖保の糸、小豆島そうめん、三輪そうめんです」と、そうめん研究家のソーメン二郎さんの解説が入ります。

 三大そうめんのひとつである『三輪そうめん』は、奈良県で作られるそうめん。なんと皇室献上品なのだそうです。日本一細く、コシの強さが特徴。その細さは0.7mmとも言われます。しかも手作業で作られているのだとか。ちなみに、今日用意されたそうめんは、ソーメン二郎さんのご実家の製麺所で、お兄さんとお姉さんが作ったものだそう。そう思って食べるとより一層味わい深い。三輪そうめんは細いのにコシがあって、ツルツルっとサラサラっと食べられます。皇室献上品と聞いたせいか、上品な味わいもある気がします。

 ツユは、宮崎県都城市(みやこのじょうし)のヤマエさんの高千穂峡シリーズ。カツオ、あごだし、しいたけ、とりの4種類から好きなものを選んで、そのままかけて、ストレートで食べられました。ソーメン二郎さんいわく「おすすめは、しいたけつゆ。絶品です!」とのこと。ヤマエさんのしいたけつゆの美味しさに感動し、ブログに書いて紹介したことがきっかけで、一緒にイベントをやる流れになったそう。

 ヤマエ食品工業株式会社の加藤さんいわく「九州で一番売れているのは、カツオつゆ」。ちょっと甘みのある、あごだしつゆも美味しかったです。三輪そうめんも高千穂峡シリーズのつゆも、水が美味しい場所で作られているのが共通した特徴。お水が美味しい場所には、必ず美味しいものがあるのですね。

 続いて、宮城県白石市の『白石温麺(うーめん)』。あったかい餡かけの汁でいただきました。“おくずがけ”といって、冷蔵庫にある余ったお野菜を使い、醤油ベースのスープにカタクリ粉でとろみをつけた宮城の郷土料理だそうです。「温麺(うーめん)と言っても、汁が温かい麺という意味ではありません! 人を思いやる温かい心のことなんです!」と白石温麺の担当者さんが力説します。

 時は、江戸時代初め。白石に住んでいた大畑屋鈴木浅右衛門は、胃腸の弱い父(麺好き)を心配し、何かないかと探した末、旅の僧に油を使わない麺の製法を教わったそう。苦労を重ねて麺を作ることに成功し、父親に食べさせたところ病気が回復。さらに、その麺が話題となり、白石城主の片倉小十郎にも食べてもらったところ「うまい!」と絶賛。片倉小十郎は、浅右衛門の父親を思う温かい気持ちにも感動し、その麺を『温麺』と名づけたとか。さらに浅右衛門は、味右衛門の襲名を許されたのだそうです。

『温麺』はどうして、“うーめん”と読むのでしょうか? 片倉小十郎に褒められたところまではよかったものの、温麺の呼び名を度忘れしてしまった味右衛門。しかし「ウマイ」と言われたことを思い出し、周りの人になんと読むのか聞かれたときに「ウメーメン……」と伝え、それが“うーめん”と呼ばれる様になったと伝えられているそう。

 温麺のスープの中には、だいこん、にんじん、里芋、しいたけなど具がたっぷり。餡かけなので、温かさが胃の中まで保たれて、お腹の中から温まります。ちなみに、白石温麺の特徴は、油を使用していないのと、長さ9cmサイズの麺ということ。普通のそうめんの半分くらいです。

 桜顔酒造さんの日本酒も堪能。アルコール度数6%の『もりおかスパークリング』は、甘酸っぱくて飲みやすい味、万能にいけます。やや辛口の純米大吟醸『南部の雫』とも、三輪そうめんのカツオつゆは、相性がよかったです。ぬる燗でいただく『大地の一献 特別純米酒』が、温麺にぴったりはまります!冷やしグルメの中のオアシスのような温かさを堪能しました。

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