2016年は4年に一度の……「うるう年」の決め方は法律で決められているってほんと?
今年は2月29日がある「うるう年」。授業が1日増えるのと同時にバイトや遊びの機会も増えるので、得か損かフクザツですね。
「うるう年」はどうやって決められているのでしょうか? 4年ごとに決まってるでしょ! と思われがちですが、じつは400年に97回、「いつ」がうるう年なのかを決める「法律」も存在するのです。4で割り切れる年、はおおむね正解で、100の倍数はフツウの年になる例外があり、2100年は「うるう年」にならないよう決められているのです。
■法律で決められている「うるう年」
1年が365日なのは、いまさら説明不要でしょう。これは地球が太陽のまわりを一周する時間がベースで、厳密にはおよそ365.242日。毎年4分の1日ほどズレが生じるので、だいたい4年に1度366日にして調整するのが「うるう年」です。
うるう年になる年は、どうやって決まるのでしょうか? ある年を起点に「4年に1回」でもいいでしょうし、確率4分の1の「くじ」で決めるのもありでしょう。ただし、勝手に「うるう年」を定めてしまうと、海外では3月1日なのに日本だけ2月29日なんて年もあり、連携が難しくなってしまいます。そこで「法律」によっていつがうるう年か定め、混乱が生じないようになっているのです。
根拠となるのは明治31年に施行された「閏(うるう)年ニ関スル件」で、基本パターンは、
・西暦に660を足す
・その数が4で割り切れる年
と決められ、今年2016年を確認してみると、
・2016 + 660 = 2676
・1356 ÷ 4 = 669 あまりゼロ
で、確かに当てはまります。これは世界じゅうで使われている「グレゴリオ歴」と同じ結果になるので、ほとんどの国とズレることはありません。
■ときどきなくなる「例外」も
ただし、4で割り切れてもうるう年にならない「例外」もあります。西暦が100、400の倍数の年です。
これも同じく法律で定められ、
・西暦が100で割り切れる年は、うるう年ではない
・西暦が400で割り切れる年は、うるう年
と2種類の例外があり、400で割り切れることが優先されます。直近では2000年がどちらにも該当し、100の倍数だけど400で割り切れるのでうるう年、2100年は400の倍数ではないのでフツウの年、になるのです。
なぜこのようなフクザツな式になったのでしょうか? これは大きく2つの理由があり、
・660を足すのは、日本固有の暦
・公転周期が約365.242日
前者はそういうもの、として覚えるしかありませんが、後者は毎年0.242日と「切り」が悪いためで、0.242がおよそ400分の97であることから、うるう年は「400年に97回」と定められているのです。
もし例外なく「4年ごと」と決めてしまうと、400年間で3日多くなってしまい、逆にどこかで1日減らさないと合わなくなってしまいます。今年は29日があるけど来年は27日まで、ではさらにフクザツになってしまいますので、100/400の倍数に例外を定めて調整しているのです。
余談ですが、4年ごとにおこなわれる「夏季オリンピック」も4で割り切れる年、と定められているので、うるう年は「オリンピック・イヤー」とも言われます。
■まとめ
・いつが「うるう年」かを定めた法律がある
・「うるう年」があるのは、地球の公転周期は約365.242日と「切り」が悪いから
・4年に1度は目安、厳密には400年に97回
・西暦が100の倍数は平年、400で割り切れる年はうるう年と、例外がある
(関口 寿/ガリレオワークス)