患者側の勝訴率が低い医療訴訟の中でも、院内感染について争う場合は? (2/2ページ)
「院内感染に関して患者側が勝訴する可能性があるとしたら、感染させた責任ではなく、感染後に適切な治療を怠った責任を追及するケースということになるでしょう」(森谷和馬弁護士)
「これなら、患者がいつどこで感染したのかという難しい立証の必要がなくなり、感染後の診断と治療の是非を問うという、一般の医療過誤訴訟と同じような形で裁判を進めることになります」(森谷和馬弁護士)
■医療訴訟の目的とは?
通常の民事訴訟では、訴えた側の勝訴率が8割と言われている。またその多くが「金銭を目的とする訴え」であると裁判所は発表しており、その数は全民事訴訟の9割を占めるという。
確かに医療訴訟でも、巨額の賠償金に目を引くことがある。しかし、それ以前に、患者側の勝訴率は約2割だと最高裁は伝えている。つまりどれだけ賠償金を求めたとしても、それが認められない可能性のほうが高いのだ。
では勝つ可能性が低いにもかかわらず、何故訴えるのか。医療訴訟の本当の目的とはなんなのか。
それは真実を明らかにすることと、病院からの謝罪、そして再発防止ではないだろうか。お金だけが訴訟の目的ではないということだろう。