うま味、摂りすぎてない?将来「お母さんの料理、美味しくない」と言われないためには
「味覚は三歳までに完成する」育児に関心の高いお母さんなら、一度はそんなことを聞いたことがあるのでは? 離乳食が始まり、いろんな食べものを口にするこの時期は、子どもの味覚が発達する、もっとも大事な時期です。
身体のことも考えると食品添加物に敏感になるお母さんも多いと思いますが、意外と“うま味”に関する添加物には注意が抜けていることが多いです。
今回は、管理栄養士の筆者が、うま味と食品添加物が子どもに与える影響とママができることについてお伝えします。
■実は「うま味」は摂り過ぎに気づきにくい
“うま味”は日本人が発見した味覚で、五つある基本味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)の一つです。
うま味の特徴として、たくさん摂っても気づきにくいことがあります。たとえば、砂糖を山盛り入れた煮物は一口食べただけで「甘い!」とわかりますし、お吸い物にスプーン一杯の塩を入れたら辛くて飲めませんよね。しかし、うま味を凝縮させた化学調味料は、たくさん入れても平気で食べられてしまうのです。
しかも、これが安価に大量に製造できて、加えると簡単に「オイシイ」と感じてもらえる。これがインスタント食品やスナック菓子、加工品のほとんどに化学調味料が使われている理由です。
■「家庭の味」を美味しく感じなくなる
子どもも化学調味料は大好き。ポテトチップスをつかんで食べた指すら夢中でペロペロなめてしまいます。そして、化学調味料の味に慣れると、家庭の味、和食の味の美味しさがわからなくなってしまいます。
和食は西洋料理や中華料理と違い、濃厚な肉や乳製品のエキスやソースを使わず、“素材の味を引き出す”という料理法が発展してきました。味覚が形成される時期に強いうま味に慣れてしまうと、濃厚なコクがある高カロリーな西洋料理を好むようになってしまいます。
その結果、せっかくお母さんが出汁から引いて作った煮物や味噌汁を美味しいと感じづらくなります。子どもの好き嫌いや偏食は、実は子どものわがままではなく、小さい時に食べさせていたものの結果かもしれないのです。
■こだわりたい「出汁の味」と簡単に出汁をとる方法
味覚が完成されていない時期は、素材の味がわかりやすい和食を基本にしましょう。苦味のある食べものなどは嫌がる場合もありますが、それは無理に与えず、体験させることを大事にしてください。
そして、こだわりたいのが“出汁の味”を覚えさせることです。粉末の出汁の素は手軽ですが、化学調味料、もしくはそれに準ずるうま味成分が使われている一方、香りに乏しく、家庭で引く出汁の味には遠く及びません。少し手間がかかっても昆布や鰹節から出汁をとって、本物の出汁の美味しさを味わわせてあげてください。
出汁を引くのは、そんなに手間ではありません。昆布出汁は昆布を水に入れて冷蔵庫に一晩置いておけば出汁が出ますし、鰹節は水を沸騰させてから入れ、数分たてばOK。こすのが面倒であればそのまま鰹節ごと食べてしまっても良いでしょう。料亭ではないので、適当で良いのです。それでも面倒だという方は、天然素材だけが入った出汁パックを使うという手もあります。
いかがでしたか。
人間は食べたもので身体も脳も心も作られます。食事は育児の上でもっとも大事なものといっても過言ではありません。子どもの健全な成長のためにママが食のことを学んで日々の食事で実践していきましょう。
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※ Gladskikh Tatiana / Shutterstock
【著者略歴】
※ 圓尾 和紀・・・管理栄養士。ファスティングマイスター。大学、海外、大学院で七年間栄養学を学ぶ。病院勤務を経て「予防医療に貢献したい」と思い、独立。現在は「和食」と「ファスティング」を取り入れた生活の提案を行う。