【冴え女シリーズ(11)】[マスターの不器用な優しさに]第7話(前半)「想像できるだろ?」 (2/3ページ)
そうありたいと思っていたのに、自分が彼女の特別じゃない事が嫌だった」
蘭 「うおぉ、マスター情熱的」
優士「茶化すな。きちんと話を聞け」
蘭 「それでそれで?」
優士「努力のかいがあって、俺は彼女を振り向かせることに成功した」
蘭 「おおおおお」
優士「その事を、俺は大学からの友人に一番に伝えたんだ。ソイツも、彼女と同じで俺を特別視しない珍しい奴だった。ソイツは彼女との事を凄く喜んでくれて、付き合ったばかりだというのに、結婚式のあいさつはぜひ自分にやらせてほしいと言ってきてな」
蘭 「その人の事も、大好きだった?」
優士「ああ、好きだったよ。だから、彼女とソイツを早々に引き合わせた。俺の好きな人同士が仲良くなってくれたら嬉しいって思ったんだ。ふたりはすぐに意気投合して、俺の悪口を俺の目の前で言い出した。やれ頑固だの融通がきかないだの、すぐに怒鳴るだの・・・」
蘭 「わかる! マスターそういうところあるよね」
優士「話続けていいか?」
蘭 「どうぞ」
優士「それから3人で一緒に出かけることが増えてな。もちろん彼女とのデートを楽しむ事も、ソイツとふたりでバカ騒ぎすることもあった。3人でいるときはその時とはまた違った楽しさがあって好きだった。