北朝鮮、軍人同士で殺人事件が発生…犯行に及んだ意外な理由とは? (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮、軍人同士で殺人事件が発生…犯行に及んだ意外な理由とは?

朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が、相変わらず「飢える軍隊」であることを象徴するような殺人事件が起きた。きっかけは「軍服」だった。

北朝鮮の金正恩第1書記は2013年12月に開かれた「人民軍哨兵大会」で「思想だけでは絶対に戦争に勝てない」「軍人たちは、よく食べさせなければならない」と発言。これに基づき、軍人への食料配給は一時的に増えたが、すぐすぐに減ってしまい、ぬか喜び同然の状態となってしまった。

理由は中間級指揮官が、配給された食料のほとんどを市場に横流しするからだ。

軍需物資さえも市場へ横流し

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の両江道(リャンガンド)の情報筋によると、軍へは、コメとトウモロコシが7対3の割合で配給される。指揮官は、コメのほとんどを市場に横流しし、代わりにトウモロコシとジャガイモを買う。

コメ1キロでトウモロコシ3.5キロが買えるので、差額を横領する。また、配給された魚もほとんどが市場に横流しされるので、値崩れを起こしたという。

その結果、地元の10軍団の末端の兵士たちが毎日食べされられるのは、トウモロコシにジャガイモの混ざったものだけになる。これでは立つことすらままならず、その結果、農場での略奪行為などを誘発する。

こうした中間指揮官の横流しが、ついに軍人同士の殺人事件へと発展した。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると1月17日、清津(チョンジン)市の羅南(ラナム)市場で、兵士7人が別の兵士3人を襲った。うち1人は死亡し、当局が捜査に乗り出したが、容疑者の逮捕には至っていない。

軍服めぐり殺人事件が発生

被害兵士3人が襲われた理由は、なんと「本物の軍服を奪うため」だった。

実は、加害者の兵士が着ていたのは、個人業者が作った「偽物の軍服」だった。国から支給される冬用の軍服は質がよく、1着40万北朝鮮ウォン(約6000円、コメ80キロ分)もする。軍の指揮官は支給された軍服を市場に横流し。その代わりに、個人業者に1着20万北朝鮮ウォン(約3000円)で作らせ、末端の兵士に配給する。その差額を横領していたのだ。

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