「マイナス金利」で住宅ローン利用者が窮地に? (2/4ページ)

新刊JP



――NISAや保険など、既存の日本の金融商品のリスクについて書かれていた箇所が非常にインパクトがありました。こうしたものを無自覚に利用してしまっている人は多いと思いますが、老後のための資産を築くには、日本の金融商品だけでは難しいのでしょうか。

中井:そう思います。たとえば投資信託にしても、日本の投資信託は「見えない手数料」が内側に隠れているんです。
日本の証券会社でも海外のファンド(投資信託)を買うこともできるのですが、どんなに利回りのいい海外ファンドに投資したとしても、この大きな中間マージンによって顧客に入ってくる利回りは低くなってしまいます。
また、保険などの一般的な日本の投資商品の利回りが単純に低いということもいえますね。貯蓄型の保険でいえば今の日本だと年利1%以下でしょう。これがシンガポールだと年利3%~4%というものも多くあります。
今後、日本の財政が厳しくなると個人の預金や証券会社などの金融機関の資産が課税の対象になることもありえます。「死亡消費税」や「貯蓄税」まで検討されているというニュースもあるくらいですから、資産運用や投資を考えるなら日本にこだわる必要はないのではないでしょうか。少なくとも、国内の投資商品だけしか見ないと選択肢がすごく少なくなってしまいます。

――最近の投資の流行として「ワンルームマンション投資」が挙げられます。都心にワンルームマンションを買って賃貸に出して家賃収入を得たり、売ったりといったことをするわけですが、これにも疑問を投げかけていましたね。

中井:前提としてワンルームマンションはそこまでニーズがなくて値が上がりませんし、ローンを組んでしまうと返済に何年もかかりますからね。
不動産業者がこういう物件を売る時に「税金が安くなりますよ、トータルで考えたら得ですよ」というセールストークを使うのですが、これもよく考えるとおかしいんです。
要は「不動産事業を赤字にすることで、会社員として納めている税金が安くなりますよ」ということなのですが、税金は安くなっても何千万も借金をしてローンを組んだ挙句に不動産事業が赤字なのでは、資産運用としては失敗ですし、リスクが高すぎます。
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