「マイナス金利」で住宅ローン利用者が窮地に? (3/4ページ)

新刊JP



――日銀が導入を決めた「マイナス金利」は投資をする人にとって気になるところです。個人の投資に「マイナス金利」はどんな影響を与えるかご意見をうかがえますか?

中井:まず、定期預金の金利が普通金利並みに引き下げられました。今のところ、個人の預金に対してマイナス金利は導入されていませんが、口座維持手数料の導入やATM手数料の値上げなどで実質的なマイナス金利になるかもしれません。銀行にお金を預けているとこのような手数料でマイナスになっていく可能性はあります。
 逆に借りる場合は金利が安くてよいですね。ただ、注意しなくてはいけないのは今「変動金利」でローンを組んでいる人です。この「マイナス金利」が悪い方に働いて、日本の経済がいよいよ危なくなってきたら、ローンの金利が急に上がってもおかしくありません。今住宅ローンの金利であれば1%くらいだと思いますが、これが8%くらいに上がることも考えられます。金利の動向には常に気をつけておきましょう。

――本書には、投資運用によってお金を増やす方法だけでなく、手持ちの資金を守る方法についても書かれています。この「守り方」についてアドバイスをいただけますか。

中井:これは一例ですが、「ずっと入っているし、まあいいか」という理由で、よく考えると必要ない保険に入り続けている人は結構多くて、その支払いに月1万円とか2万円が消えているという現実があります。
最近実際にあった話で、30歳の方なのですが保険料が月に7万円かかっているという人がいました。特に収入がいいわけではなくて月収30万円くらいなのに、保険に7万円かけている。いくらなんでも多すぎます。
おそらく、以前もう少し収入がよかった時に加入した保険なのでしょうが、今の収入になってもほったらかしにしているというのはよくありません。額は違えどこういう状態になっている人は少なくありません。投資をするにしても、自分の現状をよく見てそれに合わせてやっていただきたいですね。
特に、マイナス金利は保険会社にとっても辛いため、近々掛け金が上る可能性があります。今のうちに適切な保険かどうか見なおしておいたほうがいいでしょう。
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