高機能センサー付き!? サメは「電気」で獲物を探すってほんと? (2/2ページ)

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■平たい頭は高性能レーダー

サメは電気だけでなく磁力も感じられると考えられています。T字型の頭をしたシュモクザメは、磁気を頼りに移動しているとの研究結果もあるのです。

ハンマーヘッドの名の通りの「かなづち」のように発達した頭は、一種の「ひれ」のようにも見えますが、じつは海底に潜む魚を見つけるためのセンサー。ロレンチーニ器官が発達し、ほかのサメよりも電気を感じやすい構造になっているのです。この優秀なセンサーを使い、どうやら「磁力」も感じ取っているのでは? と考えられているのです。

磁力と電気じゃ大違い! と思われるかも知れませんが、モーターが回転するのは電気によって磁力を起こすため、発電機はこの逆の構造であるように、磁力の変化は電気を発生させます。そのため電気を感じるサメが磁力の影響を受けてもフシギではなく、地球や海底火山の磁場を利用して行動していると推測されているのです。

遠く離れた場所からでも戻って来られるハトのように、地磁気を利用している動物は実在するので、サメのロレンチーニ器官が特別とは言えません。最近は磁力を利用したサメよけグッズも販売されているので、研究が進み、安全にマリンスポーツが楽しめる日が来るのを楽しみにしましょう。

■まとめ

 ・サメのハナの部分には、電気を感じるロレンチーニ器官がある

 ・わずか100万分の1ボルトの差も感じ取れるほど敏感

 ・獲物に近寄ってからは、電気を頼りに位置を把握している、と考えられている

 ・移動する際に地磁気を利用している、との研究結果もある

(関口 寿/ガリレオワークス)

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