実は問題行動の約8割が薬害性!認知症の薬物療法を勧めない理由 (2/3ページ)
一部の人(4~6割)で9カ月~1年間は進行速度が弱まるものの、その時期を過ぎたら効かなくなるそうです。
飲むのをやめれば飲まなかったのと同じ症状になってしまうとのこと。認知症を治す薬ではないので、効果に過剰な期待はしないほうがいいようです。
(2)抗認知症薬のうち3種は興奮系の薬剤ということ
確実に存在する“副作用”について見ていきましょう。
抗認知症薬のうちメマリーという薬を除く3種は興奮系の薬剤で、「病的な怒り」を引き起こす点が大きな問題です。高齢者が認知症の薬を飲んで、興奮して暴れたという報告はものすごく多いとのこと。認知症の人を介護する側はこれらの薬によって、かなり大変なことになってしまうようです。
(3)抗認知症薬には必ず増量規定がある
そのような副作用が出るにも関わらず、抗認知症薬には増量規定があります。たとえばアリセプトという薬は1日3mgから服用を開始し、3週目からは5mgに増量しなければなりません。
個人差があっても増量です。約20%に出てしまう“病的な怒り”にもお構いなく、医者は規定通りに増量しようとするそうです。それは、規定以外で処方すると、医者の診療報酬がカットされて保険診療にならず、薬代が病院・医院の自腹になる可能性があるから。
抗認知症薬の副作用で大変な思いをした家族は医者にすがると、今度は多くの医者が増量規定を守りながら、お年寄りを鎮静させる「向精神薬」を処方します。これはつまり、アクセルとブレーキを両方踏むような薬物療法です。これが現在の70歳代、80歳代、90歳代のお年寄りに行われているのです。
■問題行動の約8割が薬害性の疑い
著者は「問題行動といわれるものの約8割は薬害性なのではないか」と疑っています。一昔前までは、認知症でも悩まず明るく、混乱もしていないお年寄りがいたそうです。
しかし、いまでは「早期受診・早期診断・早期治療」で大量の薬を飲まされているから、“病的なボケ”が蔓延しているとのこと。
お年寄りは医療では生活の支援が受けられず、著者の施設のような所へ来るのですが、みんな薬漬けになって来るそう。