【俺たちの妊活事情】「セックスレス」に陥る夫婦の原因って?<連載第2回> (2/3ページ)
この提案には驚いたが、当時の僕ら夫婦には渡りに船だった。というのも子宝に恵まれない月日が7年も流れ、結婚当初の「あなたの子どもが産みたいの」という派手なプラカードも色あせ、埃をかぶり、ふたりの間では「ないもの」として、目をつぶり始めていた。そんななかの、新たな目標となったからだ。
子づくりのような、いつ授かるかも知れないものに希望を持ち続けることは困難だ。それよりも、金額を支払えば手に入るマンション購入に燃えたほうが、燃えがいというものがある。だって、頑張れば必ず手に入るのだから。
わが家は共稼ぎだ。子どもにお金がかからなければ、雑誌が勧めるようなライフスタイルを実践できるぐらいの贅沢はできる。世界中のワインを飲み干す週末、スーパーのフードコートで親子3人、たこ焼きを頬張る週末、どちらが幸せなのか。その答えはない。子どもがすべてじゃない。現に僕らふたりは、とても仲がいいじゃないか。
鎹(かすがい)なんてなくても、生きていける。そう思い、毎週末はマンションの内見に出向き、その足であらゆる雑貨屋・家具屋を見てまわった。インテリアはふたりの共通の趣味だったので、これはこれで刺激的な日々であった。
■妻が涙した、僕のひと言
2011年3月、僕らは都内に2LDKのマンションを買いました。念願だった新居での生活はまさに夢心地で、毎週末に友人を呼びパーティで浮かれた。何も申し分ないはずだった。しかし本物の充足感は得られないことに、マンションを買って僕は初めて気づいた。
「お前さ、本当に欲しかったの、それだったっけ?」
フタをしていたはずの感情が、一気に暴れだしたのだ。
数週間後、会社帰りの妻を駅前の小料理屋に呼び出した僕は、意を決しこう言った。
「あのさ、俺らが一番欲しがってたのマンションじゃなかったよね? 2人とも毎日忙しくてさ、本当に欲しいものから目を背けてたじゃん。本気で手に入れようとしたらスゲー大変そうだからって、見てみないふりしてた。でもさ、俺はともかく、りえちゃんは女なんだし、マジで時間がない。だからもう、誤魔化すのはやめようと思うんだ。俺、全面的に協力するから行こう。