NHKが反体制思想を助長?報道番組の”偏向ぶり”を中国人が指摘 (1/2ページ)
こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年2月21日、NHK総合テレビで「新・映像の世紀第5集−若者の反乱が世界に連鎖した」という報道番組が放送されました。
番組内では中国の「六四天安門事件」、旧チェコスロバキアの改革運動「プラハの春」、ルーマニアのチャウシェスク政権打倒など、一般市民による民主化運動の歴史を紹介され、おおまかな番組内容は、「平和・民主化のために国家権力に立ち向かう市民たち」というものでした。中国の民主化を願う僕としては興味深い番組ではあったのですが、実は試聴中に違和感が生じていました。
■印象付けられた「公権力=悪、市民=正義」
番組内では世界中の民主化運動が紹介されるとともに、文革時の紅衛兵による迫害運動や、六四天安門事件時の中共政府による武力行使など、国家側による市民に対する弾圧が描かれていました。番組内容をそのまま受け取ると、まるで「公権力=悪、市民=正義」と印象付けているようです。もちろん、独裁国家である中共政府は悪ではありますが、この印象付けの裏には何かしらの作為的なものも感じてしまったのでした。
実は番組が放送された同日、安保反対団体「T-ns SOWL」主催による市民デモが東京の渋谷で開催されていました。その活動を見た後に番組を視聴した方は、デモ参加者たちの活動に共感するような気持ちを抱いたかもしれません。僕はNHK側が印象操作のために、あえてデモ開催日に番組を放送したのではないかと勘ぐってしまったのですが、これは考えすぎでしょうか? 当然のことながら、中国共産党に抵抗する市民と、安保改正法案を推し進める安倍政権に反対する市民デモは、全くの別物です。
僕は中国在住時から動画サイトなどを利用して、NHKの報道番組を視聴していたのですが、番組内容が反日、反体制的とも思えるものが存在していたのが印象に残っています。例えば日本で2010年に放送された「プロジェクトJAPAN」という番組では、1910年の日韓併合から続く両国の歴史が語られていたのですが、番組内では併合時代に日本が韓国に行った数々の迫害行為が語られ、伊藤博文を殺害した「安重根」に対しては、彼の子孫にインタビュー取材が行われるなど、あたかも「正義の使者」のように紹介されていました。
安の信念がどうあれ、彼の行為は他国の政治家を殺害したというもので、テロ活動と断定できるものです。しかも伊藤博文は日韓併合に反対したという説もあり、安の行為が併合を促進した可能性もあります。しかし、「プロジェクトJAPAN」内では、無計画なテロリストにすぎない安重根が肯定的に紹介され、伊藤博文の暗殺、そして現在まで続く韓国側の反日活動は日本側の「報い」であるかのように論じられていました。
この番組内容に共感する中国人は多く、ネットの掲示板を閲覧したところ、「安重根は偉大だ!」、「やはり日本人は侵略民族だ!」「日本のマスコミは客観的で素晴らしい」などと、皮肉じみた論調で賞賛されていました。
しかし安の行為は、当時朝鮮の人々に圧政を行っていた李氏朝鮮王朝を保護しようとするものであり、いわば中世の封建制度を認める行為です。1900年の中国で発生した「義和団の乱」は、当時滅亡寸前だった清王朝の防衛を目的とした外国人排斥運動でしたが、現代の中国では、「旧体制の保持」として愚行とみなされています。安重根を賞賛する中国人は、知らず知らずのうちに自分たちが否定する封建制度を容認していることになります。