秋津壽男“どっち?”の健康学「アレルギーを防ぐにはマスクよりもワセリン 意外と知らない花粉症の基礎知識~その1~」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「アレルギーを防ぐにはマスクよりもワセリン 意外と知らない花粉症の基礎知識~その1~」

 3月になると、マスク姿の人が増える季節です。読者の方々にも花粉症に悩まされている人は多いのではないでしょうか? 花粉症の罹患率は今後、増えることはあっても減ることはないと言われています。

 かつては「アレルギーは加齢に伴って症状が軽くなる」と言われたものですが、実際には、発症する年齢も下は生後半年から上は90歳まで報告されています。

 私たちの幼少期には、花粉症などという病名は聞いたことがありませんでした。しかし江戸時代の文献にも、花粉症と似た症状が描かれています。杉並木で有名な日光では「日光病み」という風土病があり、それがどうやら現在のスギ花粉症だったのではないか、と指摘する専門家もいます。

 ではここにきて、花粉症の患者が劇的に増えた理由は何なのでしょうか?

 その理由は大別すると3つあげられます。

【1】土に代わってアスファルトが増えた

【2】社会全体が清潔になりすぎて人間の免疫機能が過剰に反応するようになった

【3】国策で杉の木を数多く植えたためスギ花粉の絶対量が増えた

 いずれの理由も決め手には欠けますが、それなりに妥当な要因と言えます。

 【1】については、目に見えない小さな粒子である花粉は、舗装をしていない地面に堆積し飛散することはありません。しかし、アスファルトでは風で舞い上がり拡散します。そもそも杉の木が少ない東京で花粉症が多いのは、信州などから飛んできた花粉が、アスファルトに付着せずに、地表を漂っているからだと言われています。つまり日本の都会は、世界でも稀有な花粉飛散地帯と言えるのです。

 【2】についても戦後の公衆衛生がよくなったことに加え、社会が「清潔になりすぎた」ことも花粉症が増えた一因です。ほんの10年前まで、除菌、抗菌という言葉にはなじみがありませんでした。ところが最近では世の中が「バイキン恐怖症」になっています。こうした風潮が花粉症患者の増加に拍車をかけています。

 昨今の除菌ブームは、かつてのような寄生虫による感染症を減らしてくれましたが、一方で花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患が増えたという研究データもあります。

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