残業代が出ない?! 社会人なら理解しておきたい「裁量労働制」の仕組み (3/3ページ)

フレッシャーズ

■裁量労働制だと本当に残業代は出ないのか

法律上は、裁量労働制でも次のようなケースでは手当が出ます。

(1) 裁量労働制「 みなし労働時間」が1日8時間を超える場合

労働基準法によると、法定労働時間は1日8時間・1週間40時間が原則です。したがって、上述の「(b) みなし労働時間」が法定労働時間を超える場合は「36協定」を結び、超えた部分の時間に対して、企業は25%増し以上の時間外手当を支払わねばなりません。例えば、みなし労働時間を9時間とした場合は、1時間の残業代が出ることになります。

(2) 裁量労働制の対象労働者が休日労働をした場合

対象労働者が法定休日(毎週1日あるいは4週4日の休日)に働いた場合には、企業は35%増し以上の割増手当を支払う必要があります。

(3) 裁量労働制の対象労働者が深夜労働をした場合

対象労働者が22:00~5:00の深夜時間帯に働いた場合には、企業は25%増し以上の割増手当を支払わねばなりません。

しかし、現実の導入例では、(b)のみなし労働時間が実際よりも低く見積もられがちなために、裁量労働制の導入により労働者の収入が減少するケースがほとんどです。また、想定外のトラブルで労働時間がのびても、休日・深夜でなければ割増手当が出ないため、労働者のモラルが下がるといった問題が出ています。

以上のように、裁量労働制は労働基準法によって、その内容や導入が厳しく規定されています。が、企業が労働組合や労働者代表をてなずけてしまえば、使用者の恣意のままに裁量労働制を導入・運営できる可能性があります。社会人になるにあたって、正しく裁量労働制について知ることにより、自分の権利や生活を守っていきましょう。

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