【待機児童問題】本当に解決する気あるのか?安倍政権のトンデモ対策案 (2/3ページ)
さらに、政府の案では保育園以外の場所でも子供を預かれるようにとされているが、最初から幼児の年齢・月齢に合わせて作られた環境でなければ、保育士にかかる負荷が尋常ではなくなる。場当たり的に用意された空間で、言葉で言うことをきかせられない1~2歳の子供の面倒を見るとなれば、安全のために保育士の受け持ち人数は減らさねばならないはず。それを増やすことしか考えていないのだから、正直お先は真っ暗である。
保育士の待遇改善の面では、給与を数%程度上げるだとか、近隣の保育士同士が連携して休みを取りやすくするといった案も出ているが、いざこの案が実現してしまえば、そんな話は忘れ去られるだろう。給与面での帳尻合わせはできたとしても、残業・休日出勤・長時間労働などの波に飲み込まれることは目に見えている。なんせ他業種の労基法無視のブラック企業問題すら満足に解決していないのだから、こんな約束事が実現するわけがない。だったら先に労基法の厳守を財界の連中に飲ませてみろという話である。法やルールはあるだけでは意味がなく、守ること、しっかり運用されることこそが重要なのだ。
■少子化に拍車仮にこうした対策案が現実に履行されたとして、まず考えうるのは人材派遣業界や介護業界と同じ道を歩むことである。この2つの業界も、様々な新ルールや法律が設けられた当初は、それはそれは夢のような聞こえのいい言葉で飾り立てられていた。そこに人の弱みに付け込む悪どい連中が大挙して流れ込み、今やブラックの代名詞と化し、他に選択肢のない負け組が流れ着く流刑地のような扱いになってしまった。国の将来を担う子供達を預かる保育園がそうした業界と同じ歴史を辿るとなったら、本格的に亡国一直線になるだろう。
例えば、一件でも死亡事故が報じられれば、共働きの夫婦が「保育園に殺されるくらいなら、子供を作るのは少し待とう」と考えても何ら不思議ではない。そんな事件が立て続けに起きれば、「保育園に子供を預けるリスク」が当たり前のこととして定着してしまう。そのような状況で、誰が好き好んで子供を産もうと考えるだろうか。
少子化と待機児童問題は密接に繋がっており、保育園の受け入れ人数を無理やり増やせば待機児童が減り、そうなれば安心して子供を産んでもらえるなどと考えるのは大間違いだ。