500円よりも「600円の方が安い」と感じさせ購入させる方法
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マネー
こんにちは。深沢真太郎です。
ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。
いきなりですが、500円と600円はどちらが安い金額でしょうか。
もちろん、500円です。「なにを当たり前のことを」と思われたかもしれません。でも「当たり前」と感じるのは、500と600という2つの数字だけを単純比較しているからです。
では、もうひとつ質問です。
「500円と600 円では、600円のほうが安い」と思わせるためにはどうしたらよい?
今日は、そんなお話です。
■紙版とセットで電子版の雑誌を売るには?
あなたが、ある雑誌のマーケティング担当者だとしましょう。
読者にその雑誌の「紙版」と、新たにリリースが決まった「電子版」をセットで購入してもらうため、どうプロモーションしようかを考えています。
ちなみにこの雑誌の「紙版」と「紙版&電子版」の価格は以下の通りです。
紙版のみ:500円/月
【NEW!】紙版&電子版:600円/月
さて、あなたならこれらの金額を広告で見せる(魅せる)ことで、どのように「【NEW!】紙版&電子版」をPRしますか。
仮にこのままで広告を出すと、おそらく見た人は単純にこの2つの金額を比較しただけで、「紙版のみ」を選ぶケースが多くなってしまいそうです。
しかし、それでは困るわけです。
表記を工夫することで、どうにか「【NEW!】紙版&電子版」が安い買い物であることを訴求したいですね。
■あえて選ばれない選択肢を入れてPRする
私であれば、このような表記でPRするでしょう。
紙版のみ:500円/月
【NEW!】電子版のみ:600円/月
【NEW!】紙版&電子版:600円/月
本質をご理解いただくために少し極端にしましたが、要するに「【NEW!】紙版&電子版」がおトクであるという理由をこちらがつくってあげればいいわけです。
もちろん、こんな価格設定にしたら「【NEW!】電子版のみ」は売れないでしょう。
でも、それでいいのです。なぜなら、私はあくまで「【NEW!】紙版&電子版」を売りたいのですから。
このエッセンスは、ビジネスでよく利用されています。
たとえば、なにかを学ぶ講座(10,000円)を売りたいとします。
ビギナープラン:5,000円
レギュラープラン:10,000円
これでは単純に5,000円と10,000円の比較をされてしまいます。ですから、
ちょっとだけお試し!ビギナープラン:5,000円
すぐにマスターできる!レギュラープラン:10,000円
目指せ上級者!アドヴァンスプラン:50,000円
このように、あえて選ばれない選択肢「アドヴァンスプラン」を見せることで、こちらが選んで欲しい選択肢をおトクに見せることができます。
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私たちが消費者の立場のときは、このような売り手の思惑も理解したうえで、数字の駆け引きに勝ち、自分にとってもっともおトクな選択をしたいですね。
賢い消費者とは、「アタマのいい人」のことではなく、「勝負に勝った人」のことを指すのです。
(文/深沢真太郎)
【参考】