82歳筆者が考える、「お客様は神様だ」論...昔と比べて、何が変わった? (2/3ページ)

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それに業務に携わる人員が増え、結果的にアルバイトが増えるわけですから、人々の能力や考え方にはバラツキもあるし、勢い「マニュアル」で定格化を図ることになります。

この特徴が、私たち世代が、子供の頃両親に連れられて行った料理屋や食堂とは大分違うように思うのです。つまり、時代その他色々な要因があるとは思うのですが、そこで働いていた人々は、今の多くの外食産業で働く学生などのアルバイトとは性格が異なっていた、と思います。

勿論、当時の店全てに当て嵌まるわけではありませんが、大体店の中で来客に接してサービスを提供する従業員たちも、店のオーナー(多くは個人経営の板前だったりするわけですが)、その家族だったり、縁者だったりすることが多く、仮にそうでは無かったとしても、今の感覚の学生アルバイトとは異なり、その仕事で自分や家族の生活そのものを立てゝ行こうというケースがほとんどだったのでは無いか?と思われます。

ここで、安易にプロとアルバイトという言い方をするのは語弊があるかも知れませんが、そこにはマニュアル通りに仕事することを求められる現在のアルバイトたちとは異なる性格を持った従業員の姿があるのです。

厨房でも恐らく同じような傾向があるのだろうと想像できます。一定のレシピ、マニュアルがあって、或る意味では誰が調理しても同じ味に仕上がることが、今の多くのレストラン、特にファミリーレストランでは求められているはずです。

それと比べると、子供の頃私たちが外食した料理屋や食堂では、ほとんど一人またはごく少人数の板前、いわゆる職人かたぎをもった人々が善かれ悪しかれ、自分の信ずる味を、いわば頑固に守ることを誇りにしていたのでは無いか?と思います。

「料理じゃ無く、酒が呑みたいんなら他所へ行ってくんな!」とか、「鮨をつまむ順序も知らねぇのか!」などというのを有り難がってマゾ的な快感を感ずる趣味は到底ありませんが、節度を持って、頑固に味を守ろう、という姿勢には職人気質の良さを感じます。つまり、それに共感して店を訪れると言うことは、サービス提供側もサービス受益者側も対等に近い関係で、どんな場合でも「お客様は神様だ!」というような一方的な関係ではありませんでした。

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