ほったらかしで年率10%!確定拠出年金の「適切な運用方法」

Suzie(スージー)

ほったらかしで年率10%!確定拠出年金の「適切な運用方法」

退職金は、会社が知らないところで準備しているもの。それはきわめて一般的な解釈だと思いますが、『誰でもできる 確定拠出年金投資術: ほったらかしで「年率10%」を目指す方法』(山崎俊輔著、ポプラ社)の著者によれば、そうともいいきれないようです。

なぜなら会社員の6~7人にひとりは、自分の残高を毎日チェックできる退職金制度になっているから。

その制度の名前は「確定拠出年金」で、簡単にいえば自己責任型の退職金制度。お金は会社が出すけれど、運用は自分で方法を決定するというものです。その増減が、自分の退職時の受取額に直結する仕組みだというわけです。

■確定拠出年金のメリットとデメリット

確定拠出年金には、多くのメリットと、少しのデメリットがあるとか。

まずひとつ目のメリットは、「月々の積立額」と「いまいくら積立額があるか」を常に確認できること。

ふたつ目のメリットは、会社の倒産や金融機関の破綻から、自分の老後の財産を保全する仕組みが整っていること。

そしてもうひとつのメリットは、(制限はあるものの)自分の財産分については好きな運用方法を選択できること。

一方、「原則60歳までもらえない」「運用の責任は自分で負う」というデメリットもあるものの、注目に値するのは間違いないようです。

そんな確定拠出年金の適切な運用方法は、著者にいわせれば「ほったらかす」こと。

とはいえ、ただ定期預金に預けてほったらかしておくのでは、当然のことながら無意味。より効率的な運用を行うためには、次の手順を踏まえる必要があるそうです。

1.最初に毎月の投資金額を決める

2.次に投資割合を決める

3.投資信託のなかからマシなものを選ぶ

4.具体的な運用指図を行う

5.あとはほったらかす それだけ!

それぞれの手順の詳細については以下の通り。

■ほったらかし確定拠出年金5つの手順

(1)最初に毎月の投資金額を決める

企業型確定拠出年金の場合、会社が退職金制度の一環として定期的な積立金額を拠出するため、金額は個人で選べないのだとか。

しかし、確定拠出年金に入るか入らないか選べる場合は、必ず入るべきだと著者はいいます。入らない場合、給与課ボーナスに現金化して上乗せしてもらってしまうため、退職時はゼロになるからです。

個人型確定拠出年金の場合は、自分のお金から積立金を出していくため、家計に支障のない範囲で、毎月の積立額を5,000円以上1,000円単位で決めるのだそうです。

(2)次に投資割合を決める

確定拠出年金に投資する資金のうち、何割を投資し、何割を安全資産に置くか考えるということで、これがいちばん肝心だといいます。

できれば60%以上は投資してほしいと著者は主張していますが、儲かるチャンスと値下がりする可能性のバランスを考え、自分がチャレンジできる投資割合を決めるわけです。

(3)投資信託のなかからマシなものを選ぶ

投資信託については、2つのポイントからフィルタリングして「ベターなもの」を選ぶべきで、このとき「ベストの選択」などと考えないことが大切。なぜならベストの選択をする努力は、労力がかかるわりに実効性が高まらないから。

なおフィルタリングのポイントは、「運用方針はインデックス(パッシブ)のもののみを選ぶ」「手数料がもっとも安いものを選ぶ」の2点。

(4)具体的な運用指図を行う

実際の購入指示(注文)を出すということ。その後は毎月自動的に積立金が引き落とされ、注文どおりの購入が行われる仕組みなので、「ほったらかし」をしたければ注文は最初の一度ですむといいます。

このとき、以下の2パターンからどちらかを選ぶといいそうです。

[パターンA]:バランス型ファンドをひとつだけ選んでまとめ買い

国内の株式、国内の債権、外国の株式、外国の債権の4種をブレンドして購入したことになるのがバランス型ファンド(投資信託)。

ほったらかしをして分散投資をしたければ、これが基本になりますが、バランス型ファンドなら1つ買うだけで4種類の投資を組み合わせたことになるといいます(大前提は、手数料が安いこと)。

[パターンB]:自分で4資産の投資信託を買う

国内の株式、国内の債権、外国の株式、外国の債権の4種に投資する4本の投資信託を選び、購入の指示を出します。

(5)あとはほったらかす それだけ!

ここまでの作業ができれば、「ほったらかし投資」はスタート。少なくとも1年くらいは、そのままほったらかしておいてもOKだといいます。

最初のうちは株価が上がったか下がったかが気になるでしょうが、なにもせずにほったらかしておけば大丈夫。

こうした基本ルールを軸に、以後はこの方法の有効性などが詳細に明かされます。将来のためにも、目を通しておいて損はなさそうです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

【参考】

※山崎俊輔(2016)『誰でもできる 確定拠出年金投資術: ほったらかしで「年率10%」を目指す方法』ポプラ社

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