西成あいりん地区に増殖する"中国版ガールズバー"の正体 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

通常ワンセット〇〇円と書かれている。そしてカラオケ一曲〇〇円と書いてある。確かに他の地域と比べてもそこまでの異常な高さではない。

 しかし、それは日雇い労務者等、ツケが効かない人間への値段である。生活保護を支給されている、つまり支払いが固い客にはそれ以上の請求が成されている。普段は安酒ばかり煽っている生活保護受給者はそのシステムを大歓迎した。

 筆者の知り合いにもそのシステムにはまった1人である。その人間の言葉を借りよう。

「普段は若い女の子なんか接触する事ないやろ、あったとしても精々そこらを歩いている物売りや、介護の人間やろ。パチンコ屋のコーヒーレディなんか話が出来れば儲けもんや。それが見た目と言葉は問題やけど、ツケでつまり金無しで飲めて歌えて、請求は後回し、その場では請求書も出す事もせえへん。だけどな、それが問題やねん。初めに飲みに行く時、生活保護受給証明書が必要なんや。意味分かるか?」

 察しのいい読者の方は気付いたであろう。つまり金が入る公的な証明書が必要なのだ。闇金等で生活保護費が振り込まれる銀行口座を抑えられた人間は数多くいる。だが、それは振り込み口座を替えたり、その月は手渡しで貰う等逃げ道はあった。そしてそれらの行為はより悪質として厳しく処罰される対象だ。

「それがな、振り込みがあった翌日は支払い期限や、めちゃ高い金額でな。こっちはワンセット位しか頼んで無いのに、それが請求では2,3セットに化けとる。そしてカラオケ代にしてもやな、女と歌ったら手数料まで請求されとるんや。支払いに行かなかったら取り立てが来て、その分上乗せや。今ではここらはシノギも少ないから、みんな喜んで取り立てに来よる。もうわしは行かんわ」

 この男は保護費を家賃以外殆ど取られて、その月は炊き出しと役所から臨時で支給される乾パンで一か月をしのいだと言う。ちなみに筆者が行ったこの日は月末の最終日であり、この様な中国人居酒屋通称西成のガールズバーは昼間からカラオケで歌を歌っていた酔い客が多く見かけられた。これも新たに生まれたこの地区の問題点であろう。

Written by 西郷正興

Photo by  K-SAKI(コラージュ)

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