再評価・田中角栄「天才政治家の豪快伝説」 (4/4ページ)
恥ずかしがったり縮こまったりしている書生たちの中で、唯一、田中直紀参院議員だけが、堂々とさらけ出して立っていたという。「見れば、なかなか逞しい。角栄さんは直紀さんのアレを指でピンと弾き、“立派なもんだな”とニンマリ笑ったそうです」(前同)
他に、こんな伝説が。「神楽坂は、午前中と午後とで一方通行の向きが変わるのですが、これも角栄さんが決めたと聞きました」(神楽坂の飲食店従業員) 角栄氏が“目白御殿”から国会議事堂に向かう午前中は西から東へ。神楽坂の料亭に寄ってから帰宅する夜には、方向が逆になる。実際は、「歩道を造ったら車道が狭くなったので、逆方向式の一方通行に変わっただけ」(新宿区関係者)というのが正解だが、交通規制ぐらいは簡単に変えてしまいそうなスケールの大きさが彼にはあった。
「角さんが進めようとした『日本列島改造論』は、地方を活性化させ、安定した雇用や出生率、地域社会の実現を目指したもの。現代に通じる政策で、その意味で先見の明があったと言えます」(前出の浅川氏) 中央と地方の格差や少子化問題で紛糾する現代、角栄待望論もうなずける。「ロッキード事件で角栄氏と対峙した堀田力東京地検特捜部検事(当時)も“田中さんが国民の安全と幸せを第一に考えていたことは確かだ”と評しています」(前出の向谷氏) それが田中角栄という男なのだ。求心力を失いつつある今の首相も、見習うべきところは多いのでは?