【連帯納税義務】なんで私が兄弟の相続税まで払わないといけないの?!

心に残る家族葬

【連帯納税義務】なんで私が兄弟の相続税まで払わないといけないの?!

筆者が税理士事務所に勤務していた際、相続に関する様々な相談を受けていたのだが、9割以上の方々が知りませんでしたという言葉を言った後に絶句する光景を、嫌という程見てきた。そういう方々に共通するのは、被相続人が急病や事故により入院した場合や、軽い気持ちで受けた病院での健康診断にて異常が発見された場合等、被相続人の健康状態に異変が起こった時に大慌てで相談にやってくることだ。

■連帯納付義務とは

読者の皆様は、連帯納付義務という言葉をご存知だろうか。

これは、一定の条件次第では、他人の相続税を負担しなければならないという制度だ。本来、相続税は自分が相続した財産に課税され、課税された相続税は、課税された本人が納付するものだ。では、何故他人の相続税を負担しなければならないのだろう。相続税法における規定によると、滞納がある他の相続人の相続税額まで相続人全員で連帯納付する義務を負うとなっている。

読んで字の如く、同一の被相続人から相続した相続人達の内、誰かが相続税を滞納した場合には、滞納者を除いた相続人全員に滞納された相続税を納付しなければならないということになる。理由は、裁判所の判断によるが、相続税の徴収を、より確実にするために各相続人に特別の義務を課す必要があると認めたからだ。

■不服を申し立てても無駄…

この制度は、国税当局からすれば税金の徴収漏れを防ぐ、非常に有効な手段となっている。しかし、相続人にとっては自分の相続税でも手一杯なのに、何で滞納者の分まで納付しなければならないのかと納得がいかないだろう。

事実、この件に関する国税の不服申立ての裁判が頻繁に起こっているが、国に勝訴した事例は全く無い。最初から敗訴が決まっているのだ。何故ならば、国(裁判所)が連帯納付義務は、法律上生じる当然の義務と考えているからだ。しかし、連帯納付であっても相続額を限度とした限度額が設定されているし、更には、平成24年度の税制改正により一定の要件により解除できるようになってきた。

■後悔しないための終活を!

詳細は、税理士や弁護士と相談して勉強してみるといいだろう。より確実な内容を教示してくれるはずだ。

何よりも、知らないでは済まされないからこそ、事前に情報を収集し、専門家と相談しつつ家族全員での意思疎通を図っておくべきなのだ。そうすれば、誰にも悔いの残らない安全な終活ができると考える。

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