【不朽の名作】格闘ゲーム原作作品としてはかなりレベルの高い「ストリートファイターII MOVIE」 (2/3ページ)
さらに、流れのなかとはいえ、確実にその技だとわかる演出方法になっており、原作ファンにも納得できるレベルになっているのが、この作品の印象的なところだ。当時K-1でスター選手だったアンディー・フグなどがアクションシーンの監修に入っており、かなり協議を重ねたであろう努力の数々がこのアクションシーンには活きている。打撃を打ち合う時の乾いた音なども、かなり迫力がある。また不用意にBGMを入れないあたりも好感が持てる。音楽担当に、当時ヒット曲を連発していた小室哲哉が関わっているにも関わらずだ。とはいっても、別に技名は格闘中に無理に叫ぶ必要はないとは感じるが…。
この作品、当時は声優と俳優の境界が今ほどはっきりしていなかったものの、一部キャラに現在の芸能人声優起用とも言えるものがあり、特にリュウ役の清水宏次朗の「昇竜拳!」などの叫び声がイマイチで、所々拍子抜けする部分がある。ちなみにケン役の羽賀研二と春麗役の藤谷美紀は意外と合っている。
なお、同作の春麗のアクションシーンには、特に気合が入っている。他キャラが劇中で、ゲーム遵守のコスチュームを着ているのにも関わらず、春麗だけは、Tシャツにパンツを履いているだけという薄着コスチュームで、湯上がりを襲撃してきたバルログと対決している。蹴り技を繰り出す度にパンモロになるという状態で、『仮面ライダーストロンガー』の電波人間タックルや、過去のアニメ作品で培われたパンモロ戦闘の美学をこれでもかと詰め込んでいる。その並々ならぬこだわりに、明らかにお色気シーンにも関わらず、芸術性を感じてしまう。これだけでも、この作品を観る価値はあると。
スポットのアクションシーンでメインキャラ以外の見せ場を作ることで、ストーリーラインも至って単純になっている。ゲームでもラスボスとなっているベガが首領の組織、「シャドルー」を倒すという展開になっており、原作でもベガと関わりの強い、春麗とガイルに全体的な舞台の構築を任せている。そこに流浪の旅をしているリュウを、同門で親友でもあるケンの危機を知らせて参加させるという形だ。
当時は、現在より格闘ゲームキャラクターに、細かいストーリー設定が決まっていなかったこともあり、細かい世界観の構築は割りと自由にやっている印象だ。