毒ガスと機関銃の地獄絵?天安門事件で両足を失った男が語る真実 (1/2ページ)

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天安門事件の生き証人が語る虐殺の真実 (C)孫向文/大洋図書
天安門事件の生き証人が語る虐殺の真実 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年5月某日、僕は中国人民主活動家「方政」氏の話を聞くことを主旨とした、中国人活動家、日本の保守系言論人、漫画家、警察官、自衛隊員など十数名が集まった交流会に参加しました。

■天安門事件の生き証人・方政氏

 方政氏は学生時代、「六四天安門事件」の抗議デモ時に女学生を助けようとした際、戦車に踏み潰され両足を失った経歴を持つ人物です。交流会時、僕は方政氏と数分にわたり対談を行いました。今回はインタビュー形式でその内容をお伝えします。

左が方政氏、右が著者

「以前、僕は方さんに自著『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書刊)を献本したことがあるのですが、あの作品には『当時、子供だった自分(孫向文)の天安門事件の記憶』が描かれています。今回は『実際に事件に立ち会った人物』である方さんのお話を伺い事件の真実を追求したいと思います。事件当時、日本のメディアでは人民解放軍による天安門広場前での虐殺の事実は報道されなかったそうです。実際の現場はどのような状況だったのでしょうか?」

方政(以下、方)「中共政府が事件を隠蔽しているため、私自身も正確な犠牲者数などは把握していませんが、実際には天安門広場内ではなく広場の周辺地域で虐殺は行われていました。事件当時、私は『六部口』という地域にいたのですが、そこでは特に激しい虐殺が実行されたため、デモ参加者たちの間では『六部口惨案』と呼称されています」

「当時の日本の左派系言論人は天安門広場前『では』虐殺がなかったというレトリックを利用して事実を隠蔽していたというわけですね」

「虐殺により当時多くの『天安門母親』(天安門事件により子供を失った母親の総称)」が誕生したのですが、その内の一人は通報により息子の遺体を発見したそうです。事件当時彼女の息子は迷彩柄のズボンを履いており、中共当局が遺体を処理する際に人民解放軍の兵士と勘違いして、北京市内の学校のグラウンドに埋めたと推測されます。彼の遺体は豪雨時に土が流され地面から脚部が露出したことにより発見されたのです」

「恐ろしい……、中共政府は事実隠蔽のためなら、自らの兵士ですら『使い捨ての道具』のように扱うのですね。僕は『中国のもっとヤバい正体』内で、人民解放軍が毒ガスを噴射したという話を紹介しました。その事実の詳細を教えてください」

「私が見た限り、毒ガスは2種類あり、1つは戦車からスプレー式に噴出されたもの、もう一つは地面に着弾するものです。当初、私は着弾式のものを催涙弾だと思ったのですが、私のかたわらにいた女学生がガスを吸って気絶してしまいました。私は彼女を救出しようとした際に両足を踏み潰されたのです。その後、私は北京市内の病院に搬送されたのですが、院内はけが人たちで溢れかえり、まるで戦場のようでした。当然ベッドは不足し、私も会議室の床で寝ました」

「ガスを吸った私は、その後一週間程度喉と鼻に激痛を感じました。病院で私が吐いた痰を分析した結果、塩素物質(cl)を大量に摂取したことが判明したのです」

「殺傷には主に毒ガスが使用されたのですが?」

「ガスはあくまでも牽制用で機銃掃射による殺傷が大半です。使用された弾丸は爆発式のもので、着弾した際に体内の広範囲を爆破します。そのため生存したとしても結合手術が不可能で、多くの人物が四肢を切断する羽目となりました」

「毒ガスと機関銃の地獄絵?天安門事件で両足を失った男が語る真実」のページです。デイリーニュースオンラインは、方政天安門事件中国連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
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