世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第177回 日本の消費の真実 (1/3ページ)

週刊実話

 前回、日本の民間最終消費支出(以下、個人消費)について、2013年度が約295.7兆円、'14年度が約293.2兆円、'15年度が約291.7兆円と、着実に下がってきていると書いた。ちなみに2年度連続で個人消費をマイナスにたたき込んだ政権は、統計的に確認可能な1955年以降、今回の安倍政権が初めてである。
 '14年度以降の個人消費の落ち込みの主因は、もちろん'14年4月の消費税増税だ。厳密には、消費税増税により実質賃金が下がり、大幅な消費縮小を引き起こしてしまったのだ。'55年以降に個人消費が実質値で減ったのは、プラザ合意直後の'86年度、橋本政権が消費税を増税した'97年度、リーマンショック直後の'09年度、そして’14年度、'15年度の5回だけである。

 ところで、実のところ橋本政権の消費税増税後も個人消費は停滞を続けたが、日本全体の消費総額は増えてきた。何を言いたいのかといえば、実は「消費」には個人消費に加え、政府最終消費支出があるという現実を知ってほしいのだ。
 左ページの図(※本誌参照)の縦軸の一番下はゼロではなく、250兆円であるため注意してほしい。この図が示す通り、'96年まで順調に拡大を続けた日本の個人消費は、'97年の消費税増税で頭打ちになり、その後は「停滞」としか表現のしようがない状況に陥った。
 とはいえ、政府最終消費支出を加えた消費総額で見れば、リーマンショック期を例外に、意外に堅調に伸びている事実が確認できるはずだ。

 「増えているのは民間の個人消費ではなく、政府の消費ではないか」
 と思った方は、政府最終消費支出の意味を理解していない。政府最終消費支出とは、何なのか。
 例えば、国民が病院に行き、医療サービスを「消費」したとする。われわれ国民は、医療費の一部しか支払わない。残りを誰が負担しているかといえば、政府である。国民が消費した医療サービスの政府負担分が、政府最終消費支出に計上される。
 あるいは、義務教育の費用だ。義務教育は、基本的には無料であるが、われわれ国民が「教育サービス」を消費している。誰が義務教育分のサービス費用を負担しているのかといえば、もちろん政府である。
 すなわち、政府最終消費支出の「消費者」は、政府でも何でもなく、国民なのだ。

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