目的の為なら他人を躊躇なく利用する人、「マキャベリスト」の脳では何が起きているのか? (ハンガリー研究)

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目的の為なら他人を躊躇なく利用する人、「マキャベリスト」の脳では何が起きているのか? (ハンガリー研究)
目的の為なら他人を躊躇なく利用する人、「マキャベリスト」の脳では何が起きているのか? (ハンガリー研究)

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 誰でも一度くらいは会ったことがあるだろう。世の中には、他人をためらうことなく利用できる人間がいる。最新の研究からは、そんな目的のためなら手段を選ばないマキャベリスト(マキャヴェリスト)的な思考の持ち主の脳内が明らかにされている。

 ハンガリー、ペーチ大学の研究者は、ある人物が信頼できるかどうかを調べるゲームを行い、その間にマキャベリスト指数が高かった被験者の脳をスキャンした。するとそうした人物は、公平で協力的であることを示すサインを発するパートナーに出会うと、脳が一気に活性化することが判明した。

 マキャベリストとは、ルネサンス期のフィレンツェの外交官で、1513-14年に『君主論』を書いたニッコロ・マキャヴェッリに由来する言葉で、政治は道徳や宗教から切り離して行うべきであるという現実主義的な政治理論を提唱したため、目的のためなら手段を選ばない人間を指してマキャベリストと言うようになった。

 精神科学の分野では、サイコパシー、ナルシシズム、マキャベリズムの3つが「邪悪な人格特性」としてセットにされる。

 認知科学や進化心理学においては、マキャベリスト的知性とは社会集団との政治的関係において成功するための能力をいう。

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ニッコロ・マキャヴェッリ

 実験ではまず、大学生の被験者にマキャベリスト指数を測るテストを受けてもらい、マキャベリストであるか確認した。この文脈において、マキャベリスト的特性は、非難と許し、嘘と真実、協調と裏切り、約束と反故、ルール設立と違反、誤解と誤った指図といった行動で特徴付けられる。

 テストの後、被験者の脳波を測定しながら、次のようなゲームをプレイしてもらった。

 まず、プレーヤーにはおよそ500円相当の通貨が渡される。プレーヤーはパートナーに対していくら”投資”するのか決定しなければならない。投資した資金はパートナーの元で必ず3倍になる。今度はパートナー(実はプログラムなのだが、プレーヤーにそれは伏せられ、人間だと思われている)がいくら返却するか決定する。公平な額(初期投資額の1割り増し程度)を返却するか、不公平な額(投資額の3分の1)を返却するかはプログラムによって決められている。

 このターンを終えると、今度はプレーヤーが投資される側になる。パートナーが投資した資金は、自分の元で3倍となり、その返却額を決めることができる。したがって、裏切って自分の利得を追求することも、不公平な行動をとったパートナーへの仕返しもできる。

 ゲームの結果、協調的プレーヤーに出会ったマキャベリスト的プレーヤーの脳は、一気に活性化することが判明した。こうした他人を利用できる状況において活発になることが確認された背外側前頭前野は、脳の興奮を抑える機能がある。

 つまり、ここが活発になることで、パートナーに対する社会的感情反応が抑制されている可能性が高いこということだ。実際、彼らはゲーム終了時に協調的プレーヤーよりも資金を多く所持していることが多かったという。


via:nymag.dailymail/ translated hiroching / edited by parumo



 マキャベリストは、愛想がよかったり話がうまかったりと、うわべだけの魅力を携えており、人心操作に長け、目的の為なら嘘をつくことをいとわず、冷酷で衝動的などの特性がある。また、倫理観に乏しく、目的の為にどんな手段をとってもそれを正当化し、「人より先んじるためには、多少のごまかしはやむをえない」と考える。

 現在「マキャベリ的知性仮説」とよばれる仮説が人類学者、進化論の研究者、認知科学者などに支持されている。これは「ヒトはなぜ賢くなったのか?」を問うもので、相手を騙し、欺き、出し抜くことによって知性を進化させたという仮説である。

 相手が損しても、自分が得をすればいいと心の中では考えてはいても、実際にはそれを道徳心や利他心で抑え込み、できるだけ利益を分配しようと考えるのが一般的な考え方である。

 ところがこんな研究がある。

 日本人は自分が損をしてでも、相手がもっと損をするような「いじわる」な行動をとる人が多いというのだ。大阪大学社会経済研究所の西條辰義教授が行った研究によると、皆でお金を出し合って公共財を作るという設定で、お金を出し合うゲームをさせたところ、日本人は最初、自分だけお金を出さずに無料で公共財を使おうとする「ただ乗り」を目指す人は多いものの、そういう人が目立つと、「ずるは許せない」と他の人が自らの損をかえりみず、ただ乗りしようとした人の足を引っ張りにくるので、最後には、「お金を出して協力しないと後が怖い」と悟り、最終的にはアメリカ人や中国人よりも協力的になるという。

 西條辰義教授は、自己の取り分を減らしてまで相手の取り分をよけいに減らす行為を「スパイ ト(いじわる)」行動と名付けたそうで、日本人はその傾向が顕著なのだそうだ。詳しくは以下の論文を読んでみよう。

「日本人はいじわるがお好き?!」プロジェクト


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