3Dプリンターは、絶滅危機に瀕するアフリカのサイを救えるか? (3/3ページ)

FUTURUS

確かに、3Dプリンターを用いラボラトリアム内で作られているわけだから、不純混合物含有量はほぼ、0%に近いと考えられる。自然界で生きていたサイの角を切る場合は、当然ながらバクテリアがたくさんついた刃物が使用されるだろうとし、薬品化されるまでにどれほど不衛生な状態・経路をたどるかなどはまったく不明だが、清潔な環境の下で製造された人工角ならば、使用する側にとって安心だろう、と氏はアピールしている。


■ 密猟に拍車がかかる?

Pembient社は、この画期的な案を非常に誇りとして研究を進めているが、サイの保護組織・団体や研究者たちは別の見解を示している。人工の角が市場に出回ることによって、本物の角の需要が増大するのではないかと見られているのだ。オランダの犯罪学者・ダン・ヴァン・ウルム氏が独自に行った、密猟関連の研究調査報告によれば、人工の角が大量に出回れば市場が飽和状態になるが、「人工でも、角は角」ということで満足する人も増えるだろうと見ている。しかし、薬効があるか否か?の点では、人びとが人工角に100%満足するかどうかは不明だとしている。となれば、「やっぱり、本物の角じゃないとダメだ」という人も出てくるであろうし、密猟がさらに増すのではないか?という杞憂がなきにしもあらず、ということだ。

しかしPembient社では、サイを守る使命に燃えつつ、昨年9月にこの「人口角」の販売会社を中国に設立、「Essence of Rhino Horn(サイの角エッセンス)」なる美容クリームを販売広告を既に製作している。

この一連の「人工の角」プロジェクトに対し、ヨーロッパ諸国の野生生物保護団体や研究・調査団体からは賛否両論が挙がっており、どちらかといえば否の意見が多いようだ。しかし、サイの全滅に、少しなりともストップをかけると期待されるこのプロジェクトが今後、どうなるかを見極める必要性もあるのではないだろうか。

【参考】

※ Pembient – Bioengineered Wildlife Products

※ Essence of Rhino Horn(サイの角エッセンス)の広告

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