天才テリー伊藤対談「山本晋也」(1)先輩に「映画」の世界へ誘われて (2/2ページ)

アサ芸プラス

「こりゃあ、たくさん映画が観られるぞ!」って迷わず入部した。

テリー そりゃ、夢のような部活ですね。

山本 で、たくさん映画を観ているうちに、予告やポスターに「20世紀フォックス」とか「ユニバーサル」とかいう会社名が入ってることに気づいて、そういう仕事に漠然と憧れるわけですよ。ただ、どうすれば早稲田からそっちの世界へ行けるのか、それがさっぱりわからない。

テリー なるほど。だから日藝の案内を見た時に「ここだ!」と思ったわけですね。で、そのあとは?

山本 夏休みは、友達の誘いを受けて、テレビ局のADや助監督のバイトをしていたんですけど、ある時、助監督をやっていた、とある先輩から「お前、オ○ンコ映画って知ってるか?」と聞かれてね。

テリー アハハハハハ! ストレートでいいですねぇ、オ○ンコ映画ッ(笑)。

山本 まだ「ピンク映画」とか「成人映画」なんて言葉もない時代ですから。で、「バイトやるかい? お前は気がきくから」って言ってきたもんだから、「何でもやります」って参加した。それが初めての成人映画の現場ですよ。確か大学2年だったかな。

テリー へえ、最初はどんなシーンに参加したか覚えてますか?

山本 風呂場のシーンですね。僕の仕事は旅館の狭い風呂に湯を張ることだったんだけど、その時に見た女優の体がとても美しく見えましてね。あとで知ったんだけど、カメラ映えするように、ハケで女優の体に薄く水白粉を塗っているんですよ。そこにライトが当たって、神々しく見えたんだね。

テリー 文字どおり、光り輝いて見えたと。

山本 でも当時はそんなことを知らないから「これはスゴい!」とすごく感激してね。それで「この仕事に決めた!」と思ったわけ。

テリー だけど、さっき言ってた20世紀フォックスみたいな憧れのアメリカ映画から一転しての「オ○ンコ映画」の仕事って、抵抗はなかったんですか?

山本 いや、当時は学生だし、そんなに深いことは考えてなかったな。とにかく、おもしろければ何でもよかったんですよ。

「天才テリー伊藤対談「山本晋也」(1)先輩に「映画」の世界へ誘われて」のページです。デイリーニュースオンラインは、山本晋也カントク記週刊アサヒ芸能 2016年 6/23号映画監督テリー伊藤エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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