クルマを変えずに、燃費を変えよう!「燃費の良い走り方」とは?

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クルマを変えずに、燃費を変えよう!「燃費の良い走り方」とは?
クルマを変えずに、燃費を変えよう!「燃費の良い走り方」とは?

三菱自動車に端を発し、スズキにまで及んだ燃費改ざん問題。燃費について改めて考えたドライバーも多いのではないでしょうか。

ここではクルマの燃費計測の実態と、普段から実践できる燃費の良いクルマの走らせ方についてお話をしていこうと思います。

■そもそも「カタログ燃費」って何?

テレビのCMなどで「リッター37kmの低燃費!」などと謳っているものがあります。これがいわゆる「カタログ燃費」です。クルマのカタログの巻末にある、主要諸元に記載されていることからこう呼ばれます。

カタログをさらによく見ると、燃料消費率の欄には「JC08モード 国土交通省審査値」と記載があります。まずは、このJC08モードについて探っていきましょう。

■実際に街中を走らせてはいなかった!JC08モードとはこういう意味

JC08モードとは、1リッターの燃料で何キロメートル走行できるかを、いくつかの自動車の走行パターンから測定する燃費計測方法のひとつです。

これは国土交通省令「自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令」や、国土交通省告示「自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令に規定する国土交通大臣が告示で定める方法」によって規定され、国内にて型式認定を受ける総重量3.5トン以下の乗用ならびに貨物自動車に適用されます。

photo by 日産:モコ [ MOCO ] 軽自動車 | 環境・安全・品質 | 環境への配慮 より

それでは実際に、どう計測しているのかを見ていきましょう。

クルマの燃費の測定は「独立行政法人 交通安全環境研究所」にて行われています。実際にクルマを走らせるのではなく、試験場内のシャシダイナモメータ(測定器)にクルマを載せ、その場でタイヤを回転させて計測しているのです。

この計測はクルマのエンジンが完全に停止している状態からエンジンを始動する、いわゆる「コールドスタート」から始まり、その後1,204秒間あらかじめ決められた速度パターンや変速位置にて行われます。

こうして測定されたものがJC08モード燃費としてカタログに記載されるのです。

■実際の走行パターンに近いと言われているけど……?

こうして算出されたJC08モード燃費は、1991年より使用されていた「10・15モード燃費」よりも現実的でより実走行に近いと言われています。

しかし、実際のクルマの運転を想像してみてください。渋滞にあったかと思えば、高速道路をスイスイと走ったり、エアコンを付けたり……いろいろなシチュエーションに遭遇しますね。

つまり燃費計測においては、それらの事柄は考慮されていません。あくまでも、あらかじめ決められた速度域と変速域での話です。

ですからJC08モードといえ、完全に鵜呑みにはできないのです。あくまでも参考値として留めておいたほうがいいでしょう。

■じゃあ、どうすれば燃費は良くなるの?

燃費を向上する要素のひとつとして、アクセルやブレーキのコントロール方法を変えることが挙げられます。

走り出しはアクセルをそっと踏み、徐々に加速をつけていきます。そして速度がある程度達したところで、アクセルを一定に保ちます。前方に注意しつつ、スピードメーター(あればタコメーターも)に時々目をやりましょう。

ブレーキングは、前方の状況が分かっていれば早めにアクセルを抜き、エンジンブレーキを効かせましょう。そしてゆっくりブレーキを踏みます。ポイントは、ひとつひとつの動作をゆっくり、滑らかに行うことです。

それにはドライビングポジションが重要となります。シートにしっかりと腰をおろし、ステアリングは両手で、足はアクセルやブレーキにきちんと届くように……教習所で習った通りにしていれば問題ありません。

そこにプラスして、足の位置にも気を配りましょう。常にかかとをしっかりとフロアに付け、各ペダルはつま先で繊細なコントロールを心がけるといいでしょう。

次に車内でのエアコンを冷やし過ぎ、暖め過ぎないようにしましょう。クルマは電装品の塊でもあります。エンジンで動くすべての自動車は、ほぼ電源をエンジンから取っています。

その中でもエアコンは、最もエンジンに負荷がかかります。この負荷が、燃費を悪化させる原因になります。こまめに調節をし、時々エアコンフィルターなどの点検をするとさらにグッドです。

オイルも重要なポイントです。カー用品店などで、店員さんに勧められるがままにオイル交換をしていませんか?そのオイルが適正かどうか、純正オイルの粘度(オイルの硬さ)をクルマの取扱説明書などで確認しておきましょう。

粘度が高い(硬い)オイルはエンジン内で強い油膜を形成してエンジンを保護しますが、それがかえって抵抗となり、燃費を悪化させてしまうケースもあります。慎重に選ぶようにしましょう。

そして忘れてはならないのが、タイヤです。空気圧は、高すぎても低すぎても燃費に影響があります。運転席のドアピラーや取扱説明書を参考に、月に一度は空気圧を調整しましょう。

最近は「低燃費タイヤ」という、転がり抵抗が少ない(よく転がる)タイヤもありますので、そろそろタイヤの換え時という方は検討する価値があるかもしれません。

※タイヤのチェック方法や選び方のコツについては、こちらの記事もチェック!

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ここまで、燃費計測の方法と燃費運転の具体的な方法について述べてきました。燃費を良くするためにすぐに実践できることも多くありますので、まずは試してみてはいかがでしょうか?

いずれも一度は聞いたことがある事柄かもしれませんが、逆に言えば燃費の向上に王道はないということです。

燃費向上グッズなども色々とありますが、まずは自分の運転スキルを磨くことが燃費を良くすることにつながるのですね。

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