「俳句や短歌は旅と相性がいい」 “辺境を旅する男”が旅先で読みたくなる本 (2/4ページ)

新刊JP



高野:僕はテーマを持っていくので、そのテーマで新しいことが分かると何よりも楽しいんですよ。仕事ではあるけれど、趣味と変わらないんです。趣味と遊びと仕事の区別が全くない状態なので、それは最高ですよね。なおかつ謎が解けてカタルシスが昇華したときの瞬間とか、うまいお酒が飲めた瞬間とか…。

――納豆旅行の場合、美味しい納豆料理に出会えた瞬間とか。

高野:それはもちろんだし、新しい納豆に出会えた瞬間なんかは特にそうです。

例えば今回、ナガ族という、もともと首狩りをしていた民族が住む地域に行ったんですね。まあ民族とはいっても20以上の小さな民族の集合体を指します。そのナガの共通する特徴って2つあって、一つは昔、首狩りをしていたこと。もう一つは納豆の食べ方が同じということなんです。

これはナガ族自身が言っていることで、彼らの民族の定義が首狩りと納豆って面白いですよね。そういう事実で会ったときのカルチャーショックが最高だし、それに勝る快感はないですよ。

――高野さんがよく行かれる「辺境」において、納豆以外で共通する点はどんなところがあげられますか?

高野:僕がよく行くような山岳地帯の辺境、いわば納豆民族は穏やかで素朴で謙虚であることが多いですね。日本人に近いと思います。

――日本の特に農村部と共通するところがたくさんあるなと思ったのですが、日本の場合、共同体の内部でかなり強固に人間関係ができていますよね。そういうところはあるのでしょうか。

高野:それはないですね。場所や民族にもよりますが、日本ほど共同体意識はないし、開けています。首狩りをしていたナガあたりは、日本よりかも強いかもしれないけれど、村八分みたいなことはなさそうだし。

――日本と何が違うのでしょうか。

高野:日本は応仁の乱あたりから、村が結束して自衛していたらしいんですよね。そのあたりから共同体意識が強くなってきて、大名や幕府が年貢を取り始めると、その村の連帯責任になってより強固になる。それが今でも続いている感じがします。

アジアには連帯責任という考えは見られないですよ。
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