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FUTURUS

抗がん剤として期待される新たな成分は、貝から発見された

じつは、健康なひとの身体にも、日常的にがん細胞は誕生しているらしい。がん細胞は無限に増殖をつづけ、健康な細胞をむしばんでいくという性質を持つ。しかし、ほとんどのがん細胞は、一定の大きさになる前に人間自身の免疫機能によって消され、病気にはならない。問題なのは、なにかの理由で免疫機能では対処しきれない大きさまで増殖してしまったケースなのだ。

その場合には、現在さまざまな治療が行われる。切除はもちろん、放射線治療や、抗がん剤治療などだ。中でも抗がん剤による治療はポピュラーだが、抗がん剤も万能ではない。効くケースと効かないケース、はじめは効いたが後に効かなくなってしまうケースなどがあるらしい。しかし、オーストラリア・ウーロンゴン大学(UOW)の研究者が、将来の抗がん剤として有望な成分を発見したという。


■ 耐性を備えたがん細胞にも効果

これは、海の貝からとれる成分を使って作り出した『N-alkylisatins』と名づけられた新たな種類の分子で、現在、実験室においては、48時間以内に、抗がん剤への耐性を備えたがん細胞を100%殺しているという。

抗がん剤への耐性は、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、消化器系のがんなど、さまざまながんで見られ、抗がん剤治療の限界となっている。この新しい成分は、そういったがんに対して有望なのだ。

この薬剤は、そもそもは2002年にオースロラリアからニュージーランドにかけてひろく見られる貝から採取され、がんに効果があると認められた成分だ。そして、UOWのペロー博士とその同僚が、その化学構造に手を加え、抗がん特性を約1000倍に高めたものがこのN-alkylisatins分子だという。

ペロー博士らは、実験室で培養した抗がん剤への耐性を持つがん細胞とそうでないがん細胞に対し、さまざまな濃度のN-alkylisatinsを48時間与え続け、すべてにおいて効果があったことを確かめたという。

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