【ツレが産後ウツになりまして】第4回:おっぱいが出ない!沈みゆく妻<後編> (2/3ページ)
再び塞ぎこむ妻
母乳が詰まりはじめたことで、右の乳房に激痛が走り、「あくびをしても痛い」ほどに悪化してしまったのだ。また、乳首からつながる乳腺のひとつが黄色く腫れてしまい、ふたつの痛みに妻は耐えるしかなかった。
一難去ってまた一難。なぜ、こうも上手くいかないのか。焦れても仕方がないことはわかっていても、運命の悪さを呪った。
それでも妻は「痛っ」と顔を歪めながら乳房をマッサージすると、赤ん坊の口に添えた。
その小さな顔を見ると、両頬を中心に真っ赤なデキモノのようなものが目立っていた。外出した際、よその赤ちゃんを見ても、ウチの子のようにひどく顔の腫れた子はおらず、夫婦ともに気にしていた点だった。
「ごめんね、お顔もこんなに真っ赤になっちゃって。きっとママのおっぱいが美味しくないんだろうね。そんなんじゃ飲みたくないし、だからウンチも出せないんだよね。ごめんね、ごめんね」
そう赤ちゃんに向かって言うと、涙をぽろぽろと流していた。
妻は、また塞ぎこむようになってしまった。
■本当の「地獄」はこれからだった…
ウチの子は、よく泣く子だった。
1日24時間のうち、20時間は泣いていたかもしれない。「それが赤ちゃんの仕事」というが、それならウチの子は過労死寸前だ。それぐらい泣いていた。そしてそんな子どもを泣き止ますキラーアイテム、最終手段のひとつが母乳。
しかしわが子は飲み方がへたくそなため、飲んでくれない。
妻はパンパンに腫れ上がった乳房を出すだけで苦痛に顔を歪めるのに、赤ちゃんはそれをくわえたきり。そして「上手に飲めない」と暴れ、泣く。この繰り返しに、妻の限界も近づいているように感じた。
「アタシが悪いんだよね。愛情が足りないから、こうなるんだよね」
そんなことない。きみは一生懸命にやっている。
それでも乳を与えんと、乳房に赤ちゃんの顔を引き寄せた、そのときだった。
「ねえ、赤ちゃんの顔、見て。この子、アタシのこと嫌いみたい。『興味ない』って感じじゃない?」
言い返せなかった。