下戸でも危険は忍び寄る… 肝臓がんを呼ぶ脂肪肝の脅威(1) (1/2ページ)
「脂肪肝や肝硬変は酒の飲み過ぎのせい」と思ったら大間違いだ。最近では食べ過ぎや運動不足、糖尿病などが原因による「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)が急増。そこから「非アルコール性脂肪肝炎」(NASH)を引き起こす場合も増えているのだ。
体験者の田口豊さん(仮名=55歳)の例を見てみよう。
田口さんは印刷工場の営業マンとして活躍するサラリーマン。日頃の不摂生がたたり、大学卒業後直後、80キロだった体重は数年前に100キロを超えた。会社の健康診断では毎回、「脂肪肝」を注意されていたが、それでも「死ぬわけではないし…」と高を括っていたという。ところがある日、やたらとこむら返りを起こすようになったという。
「最初は夜間だけだったのですが、昼間でも全身がつるようになりました。身体もだるく、風邪のような症状で、お腹が張る。病院で診てもらうと、糖尿病に加えて肝硬変の一歩手前の脂肪肝炎と分かったんです」(田口さん)
脂肪肝炎の原因は、「飲酒過多」、「食事過多」、「糖尿病」、さらに「無理なダイエット」の大きく四つに分けられる。
お酒の飲めない田口さんは、「食べ過ぎによるNASHの疑いがあり」と診断された。そこで、さっそく低カロリー、低脂肪の食事摂取と運動を医師から指示され、現在は懸命に取り組む毎日を送っているという。
脂肪肝は、肝炎→肝硬変→肝臓がんと進行することもあり、肝臓がんに至ると手術でがんを切除できても再発率が高い。そのため、早期発見であっても5年生存率は50%と高くない。
国立病院機構東京医療センター消化器内科の担当医はこう説明する。
「肝炎の発症要因は、ウイルス性と非ウイルス性に分けられます。前者はB型、C型肝炎などで、肝臓がんの原因の圧倒的多数を占めていました。しかし、最近は画期的な薬が登場するようになり、『肝炎は治る病気』との認識も出始めている。その一方で今、注目されているのが非ウイルス性。非ウイルス性には脂肪肝に伴う肝炎が含まれ、さらにそれらはアルコール性と非アルコール性がある。