二択で簡単!数字の嘘に騙されない「政治センス」を鍛えるクイズ
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クイズ
「数字ってなんだか難しい……」
そんなふうに、数字が出てくると身構えてしまうことはありませんか? でも、身の回りにはたくさんの数字があふれているもの。「お金」にかかわることはその筆頭です。
そして、お金と深い関係にあるのが政治。私たちの生活に大きな影響を与える政治は、非常に多くの場面でお金を基準に物事を判断しています。「政治センス」は「数字センス」ともいえるのです。
そんなとき、「私は数字に弱いから、政治のことは政治家に任せて……」なんて考えていると、あとで大変なことになるかもしれません。
そこで、ある町の町長さんになったつもりで、自分の政治センスがわかる簡単な数字クイズを。「マル」か「バツ」かの二択なので、気軽に挑戦してみてください。
■政治センスがわかるクイズ・問題編
ある小さな町の2012年の高所得者(年収500万円以上)の年収の平均は1,600万円でした。2016年にもう一度調査すると、1,700万円に増えていました。
さらに、2012年の低所得者(年収500万円未満)の年収の平均は250万円でした。2016年にもう一度調査すると、300万円に増えていました。
「高所得者も低所得者も収入の平均が上がっているのは喜ばしいことだ!」と、町長は喜びつつも違和感を隠し切れませんでした。
「いや、景気悪いよね? どんどん悪くなっているよね? この町」
調査をすると、全体の収入の平均は100万円下がっていたのです。

こんなことが起こるのでしょうか?
■政治センスがわかるクイズ・回答編
“政治センスを問う”なんて言われると、身構えてしまうかもしれませんね。
答えはマル、つまり「起こり得る」です。
ここには、どんな数字のカラクリが隠されているのでしょうか? まずは数字を整理してみましょう。
高所得者の年収は、2012年が1,600万円 → 2016年では1,700万円。100万円増えています。
一方、低所得者は2012年が250万円 → 2016年では300万円。50万円増えています。
しかし、全体では2012年とくらべて、2016年は100万円平均が低下しているということでした。
この問題のポイントは、「全体を2つのグループに分けている」という点です。
不景気により、多くの人の年収がダウンしています。そのため、「年収500万円以上」の高所得者グループのうち、下層である年収500万円ちょっとの人々が、年収の低下で大量に「年収500万円未満」の低所得者グループに流れ込んできたのです。

彼らは、年収が減ったとはいえ500万円に近い層で、低所得者グループのなかでは高い年収を持っています。そのため、この層の流入で低所得者グループ全体の平均年収は押し上げられることになります。
高所得者グループにとっても、グループ下層であった彼らが低所得者グループに移動することによって「重し」がなくなったため、平均年収が上がります。
「高所得者グループ」「低所得者グループ」という名前のせいでややこしくなっているものの、2012年と2016年ではそのグループを構成するメンバーは違うということ。
このため、全体の平均年収は落ちているのに、それぞれのグループの平均年収が上がるという奇妙な現象が起こり得るのです。
■数字のカラクリにだまされない方法
数字が苦手な人ほど「数字はウソをつかない」と思いがち。
でも数字にはカラクリがあって、その区切り方や見せ方で、実際とは違う結果を示すことが可能です。そう、数字はウソをつくことがあるのです。
今回出てきたような「平均値」はとくに、区切りなどの操作で本来とは違ったイメージを導き出すことができてしまいます。こんな「数字のウソ」が、もし実際の政治のなかで応用されていたとしたら……。
数字のカラクリにだまされないためにはどうすればいいでしょう? それは「疑問を持つこと」です。
とはいえ、町民の年収の平均なんて気の遠くなるような計算です。小さな電卓ではなかなかできることではないし、「政治家の判断に任せて…」と考えてしまいがちですよね。
そこで一般市民の私たちにできることは、自分の感覚を信じてこの町長さんのように「本当にそうかな?」と疑問を持つこと。
疑問を持ったらできるだけいろいろな人の意見を聞いて、本当に納得できると思える意見を自分自身で判断する。それだけでも、数字のカラクリにだまされる危険を減らすことはできます。
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折しも、7月10日は参議院議員選挙。そして参議院に解散はありません。
この日のひとりひとりの判断が今後6年間の私たちの生活になんらかの影響を及ぼすわけですから、できるだけ多くの候補者の主張を知り、数字のカラクリに惑わされず、自分にとって正しい判断をしたいものです。
(文/よりみちこ)
【参考】
※老年若脳
【画像】
※上田耀子・・・ウミガメとサスペンス好きのフリーイラストレーター。シンプルな絵柄にギャグを取り込むのが得意。お問い合わせは、個人サイト『BAR SEA-TURTLE』からどうぞ!